一般貨物自動車運送事業の法令試験とは?出題範囲・過去問・合格までの流れを行政書士が整理【2026年版】

運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可を取るには、許可申請とあわせて「役員法令試験」に合格する必要があります。名前は聞いたことがあっても、「いつ・どこで受けるのか」「何が出るのか」「落ちたらどうなるのか」まで整理できている方は多くありません。この記事では、一般貨物自動車運送事業の法令試験について、制度の位置づけから出題範囲・過去問の使い方・合格後の手続きまで、公表資料と法令をもとに行政書士が整理します。

なお、試験の日程・会場・取扱いは運輸局や時期によって異なる場合があり、制度も改正されます。実際に受験される際は、必ず所管の運輸局の最新の案内をご確認ください。この記事でも、断定できない点は「要確認」として率直に書いています。

この記事の要点(先に結論)

  • 役員法令試験は、運送業(一般貨物)の許可を受けるための要件のひとつ。個人は本人、法人は専従する常勤役員のうち1名が受験します。
  • 試験は30問・50分。○×式が中心で語群選択式も出題され、8割(30問中24問以上)の正解で合格です。
  • 受験できるのは2回まで。初回で不合格なら翌々月に1回だけ再受験でき、それも不合格だと申請は却下されます。
  • 出題の中核は貨物運送事業の専門法令。九州運輸局の令和7年5月期〜令和8年7月期の8回では、事業法・施行規則・輸送安全規則の3法令だけで全体の約4割を占めました。
  • 過去問は一部の運輸局が公式サイトで公表。条文集は試験当日に配布され、それ以外の資料は持ち込めません。
目次

一般貨物自動車運送事業の法令試験とは?許可申請で役員が受験する理由

貨物自動車運送事業の許可と役員法令試験の位置づけ

一般貨物自動車運送事業(緑ナンバーのトラック運送業)を始めるには、地方運輸局長の許可が必要です。この許可の要件のひとつとして、申請者や法人の役員に「貨物自動車運送事業の遂行に必要な法令知識を有し、その法令を遵守すること」が求められています。この法令知識を確認するために行われるのが、正式名称「一般貨物自動車運送事業の許可等の申請に係る法令試験」、いわゆる役員法令試験です。

「緑ナンバーを取るには試験があるらしい」と聞いて調べ始める方も多いのですが、この試験は運転免許のような個人の資格ではありません。緑ナンバー(事業用自動車)で運送を始めるための許可要件のひとつで、受けるのは申請者本人または常勤役員です。ドライバーとして働く方が受ける試験ではない点は、よく誤解されるところです。

つまり法令試験は、資格試験というより「許可を出してよいかを判断するための要件確認」という性格を持っています。合格して初めて許可手続きが前に進むため、車庫や資金といったほかの要件がそろっていても、この試験に通らなければ許可は下りません。

一般貨物の運送事業で法令試験が必要になる申請者・役員

法令試験の対象になるのは、主に次のような申請です。①一般貨物自動車運送事業の経営許可申請、②一般貨物自動車運送事業の譲渡・譲受、合併、分割、相続の認可申請、③特定貨物自動車運送事業の経営許可申請。新規に運送業を始める場合だけでなく、事業を引き継ぐ場面でも受験が必要になることがあります。

受験するのは、1つの申請につき1名です。個人事業主の場合は事業主本人、法人の場合は、その事業に専従する常勤の役員のうち1名が受験します。なお、既存の一般貨物許可を持つ会社が存続する形の譲渡譲受・合併・吸収分割などでは、試験が免除される取扱いがあります。自社がどれに当たるかは、申請の形態によって変わるため、事前に整理しておくと安心です。

運送業の新規許可申請から受験・合格までの全体の流れ

大まかな流れは、①許可申請書を運輸支局に提出 → ②運輸局から法令試験の日時・場所の通知 → ③法令試験を受験 → ④合格後に許可手続きが進む、というものです。試験は申請後に指定された日に行われ、原則として許可申請書等が受理された月の翌月以降に初回が実施されます。

ここで重要なのが、受験のチャンスは限られているという点です。初回で合格基準に達しなかった場合は、翌々月に1回だけ再受験ができます。その再試験でも合格できなかったときは、申請が却下される取扱いとなります。「申請してから受ければいい」と後回しにせず、申請と並行して準備を進めることが、遠回りしないためのポイントです。運送業をこれから始める方は、運送業を始めたい方向けのご案内もあわせてご確認ください。

法令試験を含む運送業許可取得の流れ ① 許可申請を運輸支局へ提出 ② 運輸局から試験日時・会場が通知 ③ 法令試験を受験 30問・50分/8割(24問)で合格 【合格】 許可手続き・ 事業開始へ 【不合格】 翌々月に1回だけ再受験。 再び不合格なら 申請は却下
図:許可申請から法令試験・合格(または再受験・却下)までの流れ

一般貨物自動車運送事業の法令試験はいつ・どこで実施される?

運輸局ごとに異なる法令試験の実施時期・受験案内の確認方法

法令試験は、原則として2か月に1回、奇数月に実施されることが多いとされています。初回は申請受理月の翌月以降に行われ、実施日時や場所を記載した書面等が申請者あてに通知されます。ただし、実施の間隔や再試験の受験場所などは運輸局によって運用が異なる場合があるため、日程は「自分の所管の運輸局・運輸支局の案内で確認する」のが確実です。

受験案内は申請後に届く通知が基本の情報源になります。申請のタイミングによって初回試験の月がずれるため、いつ受けることになるのかは、申請前に窓口へ確認しておくと計画が立てやすくなります。

関東運輸局・近畿運輸局など全国の試験日程と申請窓口

試験は、原則として運輸支局ではなく各地方運輸局で受験します。たとえば関東運輸局管内の場合は、横浜市中区の関東運輸局(第2合同庁舎)が会場とされています。近畿運輸局管内であれば近畿運輸局が会場になります。管内の運輸支局(近畿であれば大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山など)で申請を受け付け、試験自体は運輸局で行う、という役割分担になっています。

正確な会場・集合時間・持ち物は、申請後に届く通知に記載されます。「どこで受けるのか」は思い込みで判断せず、通知の記載を必ず確認してください。

事務所の所在地・電話での問い合わせ先・受験時の注意点

そら行政書士事務所は大阪府箕面市(近畿運輸局管内)を拠点に、運送業許可と役員法令試験対策に取り組んでいます。所在地は〒562-0014 大阪府箕面市萱野2-6-8-203、電話は070-8556-0921、メールはtamaru@sora-gyosei.com です。法令試験対策は全国に対応しています。

受験時の注意点としては、試験当日は「一般貨物自動車運送事業等に係る法令試験条文集」が配布され、これを見ながら回答できますが、そのほかの参考資料の持ち込みはできません。条文集は国土交通省が公表しているもので、内容は改定されることがあります。「条文集を見られるから大丈夫」ではなく、限られた時間内で必要な条文にたどり着けるよう、事前に条文集の構成に慣れておくことが実践的な対策になります。

法令試験の出題範囲と問題形式|条文をどう理解するか

貨物自動車運送事業法・関連規則から出題される主な範囲

出題は、貨物自動車運送事業法をはじめとする複数の法令から行われます(具体的な13の法令は次章で整理します)。ポイントは、出題される内容が「試験実施日において施行されている法令」に基づくという点です。法改正が反映されるため、古い教材のまま対策すると、現行と異なる知識で覚えてしまうおそれがあります。

範囲は事業法本体だけでなく、施行規則や安全・報告に関する規則まで広がります。条文の数は多いものの、許可・変更・安全確保・報告といった「事業運営の骨格」に関わる条文が繰り返し問われる傾向があります。

許可基準、安全、運行管理者、報告制度に関する問題

実際の設問では、許可や事業計画の変更に関するルール、輸送の安全確保に関する義務、運行管理者・整備管理者の選任と届出、事故や事業の状況に関する報告制度など、事業者が守るべき手続き・義務が問われます。いずれも「実際に運送事業を適正に運営できるか」という観点につながる内容です。

数字(期限や日数など)や、「誰に」「いつまでに」届け出るのかといった具体的な要件は、ひっかけの対象になりやすい部分です。条文を漠然と読むのではなく、主語・期限・届出先を意識して整理すると、正誤判断がしやすくなります。

出題傾向・問題数・試験時間から見る効率的な解き方

試験時間は50分、問題数は30問とされています。形式は正誤を判断する○×式が中心で、語群から選ぶ選択式(組み合わせ形式など)も含まれます。合格基準は8割以上、つまり30問中24問以上の正解が必要とされ、間違えられるのは数問だけ、という水準です。

50分で30問なので、時間配分に極端な厳しさはありませんが、条文集を引く時間を考えると「即答できる問題」と「条文で確認する問題」を切り分ける判断力が効いてきます。分かる問題を確実に取り、迷う問題だけ条文集で裏を取る、という進め方が現実的です。

一般貨物の法令試験で押さえるべき重要法令と専門知識

出題される13の法令と、貨物自動車運送事業法の基本

役員法令試験は、次の13の法令等から出題されるとされています。

  • 貨物自動車運送事業法
  • 貨物自動車運送事業法施行規則
  • 貨物自動車運送事業輸送安全規則
  • 貨物自動車運送事業報告規則
  • 自動車事故報告規則
  • 道路運送法
  • 道路運送車両法
  • 道路交通法
  • 労働基準法
  • 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)
  • 労働安全衛生法
  • 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)
  • 中小受託取引適正化法(従来「下請法」とされていた分野。近年の法改正で見直されています)

このうち中心になるのが貨物自動車運送事業法です。事業の定義、許可、事業計画とその変更、輸送の安全確保といった、運送業の骨格にあたる部分が問われます。まずは事業法本体の「目的・許可・変更」の流れをつかむことが、全体の理解の土台になります。

運送・貨物・自動車に関する安全管理と運行管理者の役割

安全に関する分野では、過労運転の防止、点呼、乗務員の健康状態の把握、運行管理者の選任と業務など、日々の運行を安全に保つための仕組みが問われます。運行管理者は、運転者の指導監督や点呼を通じて安全運行を担保する要の存在であり、その選任・業務は事業運営の前提になります。

あわせて、自動車そのものに関する道路運送車両法(点検整備、整備管理者の選任・届出など)や、道路交通法の基本的なルールも出題対象です。「人(運転者・管理者)」「車(点検整備)」「運行(安全確保)」の3つの視点で整理すると、断片的な暗記になりにくくなります。

行政処分・不合格につながりやすい条文理解の落とし穴

間違えやすいのは、似た制度どうしの取り違えです。届出と認可の違い、期限や日数の数字、届出先が「国土交通大臣」か「地方運輸局長」か、といった細部は、正誤問題で狙われやすいポイントです。条文を「なんとなく知っている」状態だと、正しそうに見える誤りの選択肢に引っかかりやすくなります。

また、法令が改正されている分野(前述の下請法から中小受託取引適正化法への見直しなど)では、古い知識のままだと現行と食い違うことがあります。対策では、いま施行されている条文を一次情報で確認しながら進めることが、遠回りを防ぐうえで重要です。

【九州運輸局の実例】どの法律から何割出る?令和7年5月期〜令和8年7月期・8回の出題データ

「範囲が広い」と言われても、実際にどこから多く出るのかが分からなければ対策の立てようがありません。そこで、九州運輸局で令和7年5月期から令和8年7月期(2025年5月〜2026年7月)に実施された8回(計240採点ポイント)について、当事務所が公式の過去問・解答をもとに、1問ずつどの法令から出題されたかを集計しました。1回30点満点に対する、法令ごとの平均配点とおおよその割合は次のとおりです。

九州運輸局・法令別の平均出題割合(令和7年5月期〜令和8年7月期) 法令別の平均出題割合(九州運輸局/30点満点中の目安) 輸送安全規則 貨物事業法 施行規則 道路交通法 事故報告規則 車両法 報告規則 改善基準告示 労働基準法 道路運送法 労働安全衛生法 独占禁止法 取適法 約15% 約13% 約11% 約8% 約7% 約7% 約7% 約7% 約6% 約5% 約5% 約5% 約3%
図:濃い青の上位3法令(輸送安全規則・事業法・施行規則)だけで全体の約4割。九州運輸局の令和7年5月期〜令和8年7月期(8回)を当事務所が一次情報から集計。
出題される法令1回あたり平均30点中の割合(目安)
貨物自動車運送事業輸送安全規則約4.6点約15%
貨物自動車運送事業法約4.0点約13%
貨物自動車運送事業法施行規則約3.4点約11%
道路交通法約2.5点約8%
自動車事故報告規則約2.1点約7%
道路運送車両法約2.1点約7%
貨物自動車運送事業報告規則約2.0点約7%
改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の基準)約2.0点約7%
労働基準法約1.9点約6%
道路運送法約1.5点約5%
労働安全衛生法約1.5点約5%
独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)約1.4点約5%
中小受託取引適正化法(取適法/旧・下請法)約1.0点約3%

ここから見える優先順位はシンプルです。貨物自動車運送事業法・同施行規則・輸送安全規則という運送業の中核3法令だけで、全体の約4割を占めます。さらに報告規則・事故報告規則まで含めた「貨物運送事業に固有の5法令」で、全体の半分以上(およそ54%)に達します。まずはこの中核部分を固めることが、合格ラインに近づく現実的な第一歩です。

ただし、これはあくまで平均値であり、配点は回によって変動します。たとえば改善基準告示は平均で約7%ですが、ある回では30点中5点(約17%)を占めたこともありました。また、これは九州運輸局の数字であり、運輸局が違えば傾向も変わります。さらに、法令自体も改正されます(取適法の分野は令和8年1月1日施行の改正で名称・条番号が変わり、令和8年7月期から新法の名称・条文で出題されています)。「平均で重点を決め、そのうえで全範囲に穴を作らない」という使い方が実戦的です。

膨大な範囲を、効率よく・正確に対策したい方へ

13の法令すべてを均等に覚えるのは現実的ではありません。出題の中心になる条文を、現行の一次情報にもとづいて整理し、○×・語群選択・組み合わせといった本番の形式で演習できるよう設計したのが、そら行政書士事務所の役員法令試験対策講座です。教材の内容や対策の進め方は、下記のページで詳しくご確認いただけます。

役員法令試験対策講座を見る

過去問・過去問題で行う法令試験対策|本番レベルの勉強法

一般貨物自動車運送事業の法令試験過去問・過去問題の探し方

対策の柱になるのが過去問です。一部の運輸局は、公式サイトで「法令試験の過去問題及び解答」を公表しています。まずは自分の所管の運輸局のサイトを確認し、公表されている過去問と解答があれば、それを一次情報として使うのが確実です。あわせて、試験当日に配布される「法令試験条文集」も各運輸局の公式サイトで公表されており、こちらも最新版を確認しておくとよいでしょう。

参考として、各運輸局の公式ページ(貨物の法令試験)を挙げます。公示・条文集・過去問題と解答(受験者数・合格者数を含む場合もあります)が確認できる一次情報です。

リンク先の内容や掲載範囲は、各運輸局の運用によって変わることがあります。受験先が上記以外の場合は、その運輸局の公式サイトをご確認ください。

市販・配布されている過去問集も存在しますが、出題は施行中の法令に基づくため、改正が反映されているか・年度が新しいかは必ず確認してください。古い過去問だけで対策すると、改正部分でずれが生じることがあります。

関東運輸局・近畿運輸局の過去問を使った問題演習の進め方

過去問は「解いて答え合わせをして終わり」ではもったいない使い方です。おすすめは、①まず時間を計らずに解き、②条文集のどこを見れば答えにたどり着けるかを確認し、③間違えた設問は「なぜ誤りなのか」を条文に戻って言語化する、という進め方です。特に○×式は、誤りの選択肢のどこが条文と違うのかを特定できるようになると、初見の問題にも対応しやすくなります。

関東運輸局・近畿運輸局など、自分が受験する運輸局の過去問があれば、その傾向に合わせて演習するのが効率的です。運輸局ごとに問われやすい分野の色があるため、新しい回を中心に繰り返すと、本番の感覚をつかみやすくなります。

過去の問題から傾向を分析し、学習計画と勉強時間を決める方法

複数回の過去問を並べると、どの法令から何問くらい出ているか、どの分野が繰り返し問われているか、という傾向が見えてきます。出題の多い分野に学習時間を厚く配分し、めったに出ない分野は条文集で引ければよい、と割り切ると、限られた時間を有効に使えます。

勉強時間は人によって差がありますが、「試験は申請と並行して迫ってくる」という前提で、早めに着手するほど余裕を持てます。初回で確実に合格しておくことが、許可取得までの期間を短くする一番の近道です。

【九州運輸局の実例】本番で狙われる「ひっかけ」の型と、枝問対策

役員法令試験の設問は、条文の細かな語句を1か所だけすり替えて「正しそうに見える誤り」を作るパターンが中心です。九州運輸局の令和7年5月期〜令和8年7月期の8回を1問ずつ分析すると、ひっかけには大きく4つの型がありました。実際に出題された例を、いくつか挙げます。

① 数値のすり替え

  • 労働者名簿・賃金台帳などの保存期間は「5年間」。「3年間」は旧法にもとづく誤りで、令和7年5月期〜令和8年7月期の8回で最も多く出題された定番です。
  • 事業報告書は「毎事業年度の経過後100日以内」。「120日」や、実績報告書の期限「毎年7月10日」との入れ替えが狙われます。
  • 運賃・料金は、設定・変更した「後」30日以内に地方運輸局長へ届出。「あらかじめ」「30日前まで」は誤りです。

② 主語・管轄・省令のすり替え

  • 安全衛生教育や貨物の重量表示の根拠は「厚生労働省令」。「国土交通省令」に置き換える誤りが出ます。
  • 各種届出の届出先は「国土交通大臣又は地方運輸局長」。「運輸支局長」とするのは誤りです。

③ 「義務」と「努力義務」のすり替え

  • 輸送の安全にかかわる措置は「講じなければならない」。「講じるよう努めなければならない」と弱められていたら誤りです。
  • ただし本当に努力義務の条文もあるため、条文ごとに「しなければならない」か「努めなければならない」かを正確に押さえる必要があります。

④ 許可・認可・届出の区分

  • 車庫や営業所の「位置」の変更は認可、主たる事務所の位置や営業所の名称の変更は届出、と手続きが分かれます。
  • 事業の休止・廃止は実施の「30日前まで」に届出。相続による事業継続は死亡後60日以内に「認可」を申請します(「許可」は誤り)。

もう一つ大切なのが、設問の形式です。1つの大問が「ア・イ・ウ」の枝問や複数選択になっている場合、1問で3〜5点が一度に動きます。九州運輸局では、輸送安全規則の「業務の記録」などがこの形式で繰り返し出ています。頻出テーマをこの枝問形式で確実に取れるようにしておくことが、効率よく合格ラインに届く近道です。逆に、ここを1つ落とすと一気に不合格圏に近づきます。

そして、これらのひっかけに強くなる一番のこつは、正しい数値や語句を丸暗記するだけでなく、「なぜその答えになるのか」という理由まで理解しておくことです。たとえば、なぜ保存期間が5年なのか、なぜ届出先が地方運輸局長なのか——理由とセットで覚えた知識は記憶に定着しやすく、少し表現を変えられた初見の問題でも、間違いがぐっと少なくなります。

ここで挙げたのは、九州運輸局の分析のごく一部です。当事務所では、近畿運輸局についても同じ方法で各回を一次情報から集計・検証し、頻出論点・ひっかけ・重要数値を教材に反映しています。関東運輸局を含むほかの地域についても対応していますので、ご自身の受験先の傾向を知りたい方は、お気軽にご相談ください。

法令試験テキスト・セミナーの選び方と合格に向けた対策

一般貨物自動車運送事業 法令試験テキストで確認すべき内容

テキストを選ぶときは、内容が「現行の施行法令」に対応しているかを最優先で確認してください。運送業の法令は改正が入ることがあり、古い版のままだと、現行と異なる知識を覚えてしまう危険があります。加えて、条文の丸暗記ではなく、出題される13の法令の要点を整理し、条文集の引き方まで説明しているものが実戦的です。

また、○×式・語群選択式・組み合わせ形式といった本番の問題形式で演習できるかどうかも、実力の伸びを左右します。読んで理解するだけでなく、「本番と同じ形式で解く」練習ができる教材が望ましいといえます。

行政書士・行政書士法人による専門セミナー・講座を活用するメリット

独学でも合格は可能ですが、運送業に詳しい行政書士による対策講座を使うと、出題の中心になる条文の絞り込みや、間違えやすいポイントの整理を、時間をかけずに行える利点があります。特に、申請と受験を同時並行で進める必要がある方にとっては、「どこを重点的にやればよいか」が最初から見えることの効果は小さくありません。

そら行政書士事務所の役員法令試験対策講座は、この記事で触れてきた考え方——一次情報で裏を取り、現行の条文に沿って整理し、本番の形式で演習する——をそのまま形にしたものです。教材・過去問分析・講義に加え、対策アプリで○×・複数選択・各肢判定・組み合わせの各形式を反復できるよう構成しています。料金や返金保証の条件、教材の内容は、下記のページに条件込みで明記しています。

そら行政書士事務所の役員法令試験対策講座

出題の中心を、現行の一次情報にもとづいて整理。教材・講義・過去問分析と、本番と同じ形式で解ける対策アプリをセットにしています。料金・返金保証の条件・対応運輸局など、詳細は下記ページでご確認ください(誇張や合格保証はしません。条件と根拠を明記しています)。

法令試験対策講座の詳細を見る

受験者が実践しやすい暗記・理解・模擬演習の進め方

効果的なのは「理解 → 演習 → 弱点の再確認」を回すことです。まず頻出条文の意味を理解し、次に過去問や模擬問題で本番形式に慣れ、間違えたところを条文に戻って確認する。この往復を繰り返すほど、初見の問題でも条文のどこを見ればよいかが判断できるようになります。丸暗記だけに頼ると、少し表現を変えられただけで対応できなくなるため、「なぜそうなるのか」を条文で押さえることを重視してください。

一般貨物自動車運送事業の法令試験の合格率と合格発表

なお、ここでいう合格率は、緑ナンバー(一般貨物自動車運送事業)の許可申請に伴って役員が受ける法令試験のものです。運行管理者になるための「運行管理者試験」とはまったく別の試験で、合格率も別に公表されています。混同しないようご注意ください。

法令試験の合格率を確認するときの注意点と数字の見方

合格率については、インターネット上でさまざまな数字が紹介されていますが、運輸局や試験回によって大きく変動します。「全国一律で何%」と一括りにできる性質のものではなく、難易度が高めとされる回や運輸局もあります。合格率を参考にする際は、出所のはっきりした公表データを、運輸局・時期とセットで確認することをおすすめします。

参考までに、当事務所が九州運輸局の各回の合格発表(一次情報)をもとに集計したところ、令和7年5月期〜令和8年7月期の8回の合格率は、回によって約37%〜75%と大きく開きがありました。同じ試験でも、回によって難易度が変わることがうかがえます。「合格率が高い回もあるから大丈夫」と考えるのは禁物で、どの回に当たっても対応できる準備をしておくことが大切です。

大切なのは、合格率の数字そのものより「間違えられるのは数問だけ」という合格基準の厳しさです。8割(24問以上)が必要という前提に立てば、油断せずに準備することが、結果的に一番の安全策になります。当事務所では、根拠のない高い合格率を強調したり、合格を保証したりすることはしません。

合格発表の時期・通知方法と、合格後に進める許可手続き

試験の結果は、運輸局から申請者に対して通知される取扱いです。通知の時期や方法の詳細は運輸局によって異なる場合があるため、正確な内容は受験時の案内でご確認ください。合格すると、法令知識に関する要件を満たしたことになり、車庫・資金・車両などほかの要件とあわせて、許可手続きが前へ進みます。

逆にいえば、法令試験はあくまで許可要件のひとつです。合格しても、それだけで許可が下りるわけではなく、他の要件がそろって初めて許可に至る点は押さえておきましょう。

不合格だった場合の再受験・対策の見直し・許可申請への影響

初回で合格基準に届かなかった場合は、翌々月に1回だけ再受験ができます。その再試験でも合格できなかったときは、申請が却下される取扱いです。再受験までの限られた期間で結果を出すには、初回で間違えた分野を過去問と条文で徹底的に確認し、弱点をつぶすことが欠かせません。

却下となった場合、あらためて申請からやり直すことになり、許可取得までの時間とコストが大きくなります。だからこそ、「2回のチャンスを前提に軽く考える」のではなく、初回で確実に合格する準備をしておくことが、結果的にもっとも効率的です。

法令試験合格後に行う一般貨物自動車運送事業の許可手続き

合格後の運送事業許可に必要な書類と申請のチェックポイント

法令試験に合格したら、許可に向けた手続きが進みます。一般貨物自動車運送事業の許可では、営業所・車庫・休憩睡眠施設などの施設要件、必要な車両数、そして事業開始に必要な資金の確保など、複数の要件を満たしていることが求められます。書類は多岐にわたるため、要件ごとに「何を・どの書類で証明するか」を整理しておくと、差し戻しを減らせます。

特に資金要件は、金額の考え方や証明方法でつまずきやすい部分です。詳しくは運送業許可の資金要件の解説ページで整理していますので、あわせてご確認ください。

役員・事業開始までに確認したい運行・安全管理体制

許可後、実際に事業を始めるまでには、運行管理者・整備管理者の選任や、安全管理の体制づくりが必要になります。法令試験で学んだ「安全確保・運行管理・点検整備」の知識は、ここで実務にそのままつながります。試験対策で得た理解を、開業後の体制整備に活かせるよう意識しておくとスムーズです。

役員の変更などがあった場合の取扱いも含め、事業運営には継続的な届出・報告が伴います。許可はゴールではなく、適正な事業運営のスタートラインだと考えておくとよいでしょう。

行政書士へ相談する前に整理したい許可申請の疑問と準備事項

相談をスムーズに進めるには、事前に「どの申請に当たるのか(新規許可か、譲渡譲受などか)」「営業所・車庫の候補地はあるか」「資金の見通しは立っているか」「いつ頃の開業を目指しているか」を整理しておくと役立ちます。これらが明確になっているほど、必要な準備や見込みスケジュールを具体的にご案内できます。

そら行政書士事務所では、運送業許可と役員法令試験対策の両面から、これから運送業を始める方をサポートしています。「何から手をつければよいか分からない」という段階でも構いません。まずはお気軽にご相談ください。

役員法令試験の対策、まずは講座ページから

出題範囲の整理から本番形式の演習まで、現行の一次情報にもとづいて設計した対策講座です。運送業許可のご相談とあわせて、法令試験の準備を確実に進めたい方は、下記ページをご覧ください。LINEでのご相談も承っています。

役員法令試験対策講座を見る

LINEで相談する / お電話:070-8556-0921

よくある質問(FAQ)

Q. 緑ナンバーを取るには、必ず法令試験に合格しないといけませんか?
A. 一般貨物自動車運送事業の許可を受けて緑ナンバーで運送を始めるには、合格が必要です。特定貨物自動車運送事業の許可申請でも対象になります。一方、軽自動車で運ぶ貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー)は届出制のため、法令試験はありません。区分ごとの違いは運送事業5つの区分を整理した記事にまとめています。
Q. 役員法令試験は誰が受けますか?
A. 個人事業主は本人、法人はその事業に専従する常勤役員のうち1名が受験します(1申請につき1名)。
Q. 問題数・試験時間・合格基準は?
A. 30問・50分です。○×式が中心で語群選択式も出題され、8割(30問中24問以上)の正解で合格とされています。
Q. 何回まで受けられますか?
A. 初回で合格基準に達しない場合、翌々月に1回だけ再受験できます。再試験も不合格だと、申請は却下される取扱いです。
Q. 試験当日、条文集は見られますか?
A. 会場で配布される法令試験条文集は参照できますが、それ以外の資料の持ち込みはできません。
Q. 過去問はどこで手に入りますか?
A. 一部の運輸局が公式サイトで過去問題と解答を公表しています。所管の運輸局のページをご確認ください(近畿・関東・九州のリンクは本文「過去問の探し方」に掲載しています)。
Q. どの法令から多く出ますか?
A. 中核は貨物自動車運送事業法・同施行規則・輸送安全規則です。九州運輸局の令和7年5月期〜令和8年7月期の8回では、この3法令だけで全体の約4割を占めました。ただし配点は回・運輸局によって変動します。
※本記事は、法令および国土交通省・各運輸局の公表資料等をもとに、2026年7月時点の情報を整理したものです。試験の日程・会場・取扱い・出題範囲は、運輸局や時期によって異なる場合があり、法改正により内容が変わることもあります。実際に受験・申請される際は、必ず所管の運輸局の最新の案内をご確認ください。記載内容の正確性には努めていますが、本記事は一般的な情報提供であり、個別の許可・受験の結果を保証するものではありません。

この記事の著者
行政書士 田丸浩史(登録番号 26261852)/そら行政書士事務所
大阪府箕面市を拠点に、一般貨物自動車運送事業(運送業)の許可申請と役員法令試験対策に取り組む行政書士事務所です。法令試験対策は全国に対応しています。
〒562-0014 大阪府箕面市萱野2-6-8-203 TEL:070-8556-0921 Email:tamaru@sora-gyosei.com

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田丸 浩史のアバター 田丸 浩史 行政書士

大阪府箕面市を拠点とする行政書士。運送業を専門とし、新規許可から各種変更届出・法令試験対策まで大阪府全域に対応。

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