緑ナンバー・白ナンバー・黒ナンバーの違い|一般貨物・特定貨物・軽貨物・利用運送の5区分を図解

いわゆる緑ナンバーは、法律上は「一般貨物自動車運送事業などの許可を受けた事業者の車」を指します。ただし、「運送業の許可」とひとくちに言っても、法律上の区分はひとつではありません。一般貨物・特定貨物・貨物軽自動車(黒ナンバー)の3つに加えて、自分では運ばずに他社の運送を利用する貨物利用運送があり、こちらはさらに第一種と第二種に分かれます。区分がちがえば、必要な手続も、使える車両も、守るべき義務も、そして無許可でやってしまったときの罰則の重さもちがいます。この記事では、条文と国土交通省の公表資料にもとづいて、5つの区分を図と表で整理します。

この記事の要点(先に結論)

  • 他人の荷物を」「有償で」「事業として」運ぶとき、はじめて許可・届出・登録の話になります。自分の荷物を自分で運ぶだけなら、原則としてどれにも当たりません。
  • 自分の車両で運ぶ(実運送)なら、一般貨物=許可特定貨物=許可貨物軽自動車=届出の3区分。分かれ目は「使う車両の種類」と「荷主が特定の一者かどうか」の2つだけです。
  • 他社の運送を利用する(利用運送)なら、第一種=登録第二種=許可。第二種は、船舶・航空・鉄道の幹線輸送と、その前後のトラック集配を一貫して行う場合です。
  • 無許可・無届出の罰則は3段階に分かれています。もっとも重いのは一般貨物の無許可営業です。
  • 「緑ナンバー」「白ナンバー」「黒ナンバー」は法令用語ではなく、ナンバープレートの色による通称です。ただし色は自家用か事業用かの区別に対応しています。
  • まちがえやすいのは「トラック事業者が他のトラック事業者を使うとき」と「軽自動車を使うとき」。どちらも一般的な理解とは結論が逆になることがあります。

30秒で判定|あなたの事業はどの区分か

まずは全体の分岐を見てください。上から3つの入口を通ったうえで、「自分の車両で運ぶのか」「他社の運送を利用するのか」で大きく2つに分かれます。

図1|運送事業の区分 判定チャート

運送事業の区分 判定チャート ① 運ぶのは「他人」の荷物である ② 運賃など対価を受け取る ③ 事業として反復・継続して行う ひとつでも当てはまらなければ、原則として 許可・届出・登録は不要(自家用=白ナンバー) 3つすべてに当てはまる場合 ▼ 自分の車両で運ぶ = 実運送 他社の運送を利用する = 利用運送 軽自動車・二輪で運ぶ 貨物軽自動車運送事業 届出 それ以外の車+荷主は不特定 一般貨物自動車運送事業 許可 それ以外の車+荷主は特定の一者 特定貨物自動車運送事業 許可 船舶・航空・鉄道の幹線と 前後の集配を一貫して行う 第二種貨物利用運送|許可 それ以外(トラックだけ、 片方の集配しかない等) 第一種貨物利用運送|登録 参考:利用する相手が 軽貨物事業者だけの場合は 利用運送に当たりません

入口の3つは「許可がいるか」の判断そのもの

他人の荷物か、対価を受け取るか、事業として行うか。この3つは、白ナンバーのまま運んでよいかどうかを分ける基本の考え方でもあります。自分で所有する荷物を自分で運ぶ場合や、運送の対価を受け取らない場合の扱いは、白ナンバーと緑ナンバーの違いを整理した記事で詳しく扱っています。

緑ナンバー・白ナンバー・黒ナンバーの違い

「緑ナンバー」「白ナンバー」「黒ナンバー」は、どれもナンバープレートの色にもとづく通称であって、法令上の用語ではありません。貨物自動車運送事業法の条文に、これらの言葉は一度も出てきません。それでも実務で通じるのは、プレートの色が「自家用か、事業用か」の区別に対応していて、事業用のプレートが交付されるかどうかが、この記事で扱う区分と直結しているからです。

図2|ナンバープレートの配色と、自家用・事業用の区別

ナンバープレートの配色と、自家用・事業用の区別 登録車(三輪以上の軽自動車・二輪 以外) 大阪 500 あ 12-34 白ナンバー(自家用) 許可・届出は不要 大阪 500 あ 12-34 緑ナンバー(事業用) 一般貨物・特定貨物の許可 軽自動車 大阪 580 あ 12-34 黄色ナンバー(自家用) 許可・届出は不要 大阪 480 あ 12-34 黒ナンバー(事業用) 貨物軽自動車運送事業の届出 ※ 事業用のプレートは、許可または届出を経てはじめて交付されます。
表1|ナンバープレートの通称と、法令上の位置づけ
通称配色法令上の位置づけ必要な手続
白ナンバー白地に緑文字自家用自動車(登録車)自分の荷物を自分で運ぶなら不要
緑ナンバー緑地に白文字事業用自動車(登録車)一般貨物または特定貨物の許可
黄色ナンバー黄地に黒文字自家用の軽自動車自分の荷物を自分で運ぶなら不要
黒ナンバー黒地に黄文字事業用の軽自動車貨物軽自動車運送事業の届出

二輪は「黒ナンバー」にはなりません

貨物軽自動車運送事業には二輪の自動車も含まれますが、プレートの配色は軽自動車とは別に整理されています。国土交通省の資料では、二輪自動車(総排気量125ccを超えるもの)のプレートは、登録車と同じく自家用が白地に緑文字、事業用が緑地に白文字とされています。つまり、届出をして二輪で配送を行う場合、区分は貨物軽自動車運送事業でも、プレートは黒ではありません。実際の交付内容は、車両を持ち込む運輸支局または軽自動車検査協会でご確認ください。

白ナンバーのまま有償で運ぶと、無許可営業になり得ます

「自社の車だから自由に使える」という理解は、他人の荷物を有償で運ぶ場面では通用しません。国土交通省は、ナンバープレートが果たす社会的な機能のひとつとして「自家用自動車と事業用自動車の識別」を挙げ、営業類似行為の防止に用いられるとしています。どこまでが自家用の範囲で、どこからが許可の必要な運送になるのかは、白ナンバーと緑ナンバーの違いを整理した記事で、国土交通省の事務連絡とQ&Aにもとづいて詳しく扱っています。

全体像|「自分で運ぶ」3区分と「人に運んでもらう」2区分

区分を理解するうえで、いちばん大きな分かれ目は自分が実際に車を走らせるのか、他社に運んでもらうのかです。前者を実運送、後者を利用運送と呼び、根拠になる法律そのものが分かれます。

表2|5つの区分の比較
区分根拠手続使う車両荷主登録免許税
一般貨物自動車運送事業 貨物自動車運送事業法 第2条第2項
第3条
許可 三輪以上の軽自動車・二輪以外の自動車 不特定(他人の需要) 12万円
特定貨物自動車運送事業 同法 第2条第3項
第35条第1項
許可 三輪以上の軽自動車・二輪以外の自動車 特定の者 確認できていません
貨物軽自動車運送事業
(黒ナンバー)
同法 第2条第4項
第36条第1項
届出 三輪以上の軽自動車・二輪に限る 不特定(他人の需要) 不要(届出自体は無料)
第一種貨物利用運送事業 貨物利用運送事業法 第3条第1項 登録 自社では運びません 不特定(他人の需要) 9万円
第二種貨物利用運送事業 同法 第20条 許可 集配は自社でも委託でも可 不特定(他人の需要) 12万円

手続にかかる期間の目安も、区分によって大きく変わります。

表3|手続にかかる期間の目安
区分期間の目安出典・注記
一般貨物おおむね3〜5か月近畿運輸局の標準処理期間
特定貨物確認できていません管轄の運輸局にご確認ください
貨物軽自動車窓口で当日完了することが多い手続そのものは5〜10分程度
第一種利用運送2〜3か月国土交通省の標準処理期間
第二種利用運送3〜4か月国土交通省の標準処理期間

特定貨物について、この記事で書かないこと

特定貨物自動車運送事業の登録免許税額と標準処理期間、そして最低車両数については、私が一次情報で確認できていないため、数字を書いていません。条文上、一般貨物の許可基準(第6条第2号)にある「事業用自動車の数」が特定貨物の許可基準(第35条第3項第2号)には挙げられていないという違いはありますが、実際の運用がどうなるかは公示や運輸局の取扱いを確認する必要があります。特定貨物をご検討の場合は、管轄の運輸支局にご確認ください。

分かれ目は2つだけ|車両の種類と、荷主が特定かどうか

実運送の3区分は、複雑に見えて、実は2つの軸で決まります。ひとつは「使う車両が軽自動車・二輪かどうか」、もうひとつは「荷主が特定の一者に限られるかどうか」です。

図3|車両の種類と荷主で決まる3区分

車両の種類と荷主で決まる3区分 荷主(運送の需要者) 不特定の他人 特定の者 三輪以上の軽自動車 ・二輪 以外の自動車 = 緑ナンバー 一般貨物 許可 特定貨物 許可 三輪以上の軽自動車 ・二輪 に限る = 黒ナンバー 貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー) 届出 ※ 軽自動車の区分は条文上「他人の需要に応じ」と定められており、   特定の者だけを相手にする場合の扱いは、管轄の運輸支局にご確認ください。

条文を読むときの注意点

一般貨物の定義(第2条第2項)には「自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)」というかっこ書きがあります。この「次項において同じ」という一文があるため、特定貨物(第3項)の「自動車」からも、軽自動車と二輪は除かれます。つまり特定の荷主だけを相手にする場合でも、軽自動車で運ぶのであれば特定貨物ではなく貨物軽自動車運送事業の区分になります。定義規定のかっこ書きは読み飛ばされがちですが、区分を決める重要な部分です。

一般貨物・特定貨物・貨物軽自動車の違い

一般貨物自動車運送事業(許可)

もっとも一般的な、いわゆる「緑ナンバー」の運送業です。不特定の荷主から依頼を受けて、軽自動車・二輪以外の自動車で運びます。事業を始めるには国土交通大臣の許可が必要で(第3条)、営業所・車庫・資金・運行管理者・整備管理者・車両数など、多くの要件を満たす必要があります。役員法令試験もこの区分の手続の一部です。

要件と申請の流れは、それぞれ別の記事で詳しく整理しています。全体像は運送業許可とは?要件・流れ・費用の解説記事を、個別の要件は運送業許可の要件を人・物・資金・法令遵守に分けて解説した記事をご覧ください。資金の考え方だけを知りたい場合は資金要件の解説ページが近道です。

特定貨物自動車運送事業(許可)

特定貨物は、荷主が特定の一者に限られる点だけが一般貨物と異なります(第2条第3項)。たとえば、ある1社の製品だけを専属で運ぶために設立された物流子会社などが想定される区分です。こちらも許可が必要で、根拠は第35条第1項です。

注意したいのは、特定貨物は「特定の一者だけ」を相手にする区分だという点です。事業が軌道に乗って他社からも依頼を受けるようになれば、その時点で特定貨物の枠を超えます。将来的に取引先を広げる可能性があるなら、はじめから一般貨物を検討したほうが結果的に手戻りが少ない、という判断もあり得ます。どちらが適切かは事業計画によりますので、迷ったら申請前にご相談ください。

貨物軽自動車運送事業(届出・黒ナンバー)

軽自動車や二輪で運ぶ区分です。許可ではなく届出で足り(第36条第1項)、車両も1両から始められます。手続そのものは窓口で完了しますが、開業後には守るべき義務があります。とくに令和7年4月から、四輪以上の軽自動車を使う事業者には貨物軽自動車安全管理者の選任が求められるようになりました(第36条の2)。

届出の手順・必要書類・書き方は黒ナンバー届出の完全ガイドに、安全管理者の役割と義務は貨物軽自動車安全管理者の解説記事にまとめています。

Q. 軽トラックで有償の配送をするのに、一般貨物の許可は必要ですか。

A. 必要ありません。軽自動車で運ぶ場合は、条文上そもそも一般貨物の定義から外れます(第2条第2項のかっこ書き)。ただし「不要」なのは許可であって、貨物軽自動車運送事業の届出は必要です。届出をせずに営業した場合の罰則もあります(後述)。

貨物利用運送とは|第一種と第二種の違い

ここまでは自分の車で運ぶ話でした。これに対して貨物利用運送事業は、自分では運ばず、実際に運ぶ事業者(実運送事業者)を利用して荷主に運送サービスを提供する事業です。荷主に対しては自分が運送責任を負う点が、この事業の本質です。

図4|実運送・利用運送・取次の関係

実運送・利用運送・取次の関係 実運送 荷主 運送契約 運送事業者 自ら車を走らせる 利用運送 荷主 利用運送事業者 運送責任を負う 実運送事業者 自ら運ぶ 荷主とのあいだにも、実運送事業者とのあいだにも「運送契約」があります。 参考|貨物取次事業 荷主 取次業者 運送責任を負わない 運送事業者 取次は委任契約で、平成15年に規制が廃止されています。運送責任を 負うかどうかが、利用運送との決定的な違いです。

第一種と第二種の違い

貨物利用運送は、使う輸送手段の組み合わせによって第一種と第二種に分かれます。

図5|第一種と第二種のカバー範囲

第一種と第二種のカバー範囲 集荷 トラック 幹線輸送 船舶・航空・鉄道 配達 トラック 第二種貨物利用運送事業|許可 幹線と前後の集配を、一貫して引き受ける 第一種貨物利用運送事業|登録 上のうち「いずれか一つ」の輸送手段だけを利用する トラックだけを利用する場合も、幹線だけを利用する場合も第一種です。 集荷地から仕向港まで、といった片方の集配しかない形も第一種に当たります。

第一種の登録だけで第二種の事業をしてしまう例が実際にあります

国土交通省は、第一種の登録は受けているものの、複合一貫輸送を行う際に必要な第二種の許可を受けずに事業を行っている例が見られるとして、注意を呼びかけています。この場合、罰則の対象になり得るうえ、一定期間は許可を受けられなくなるとされています。事業の形が「集荷から配達まで一貫して引き受ける」形になっていないか、定期的に確認しておくことをおすすめします。

まちがえやすい5つの論点

ここからは、解説記事でも整理が分かれやすい論点をまとめます。いずれも国土交通省が公表しているQ&Aで示されている内容です。

図6|トラック事業者が他社の運送を利用するとき

トラック事業者が他社の運送を利用するとき 一般貨物の許可を持つ事業者が、 他社の運送を利用したい 利用する相手が 実運送を行うトラック事業者 利用する相手が 利用運送の専業者 利用運送の登録は不要 貨物利用運送事業法第19条 の適用除外にあたるため ただし事業計画の変更認可へ 第一種の登録が必要 実運送事業者ではないため 適用除外にあたりません 相手が「自ら運ぶ事業者」か「運ばない事業者」かで、結論が入れ替わります。

論点1|トラック事業者どうしの利用は、利用運送の登録がいらない

一般貨物の許可を持つ事業者が、他のトラック事業者に運送を頼むことは日常的にあります。この場合、貨物利用運送事業法にもとづく登録は必要ありません。同法第19条の適用除外に当たるためです。ただし何の手続もいらないわけではなく、貨物自動車運送事業法にもとづく事業計画の変更認可が必要になります。

一方、頼む相手が実運送を行わない利用運送の専業者である場合は、適用除外に当たらず、第一種貨物利用運送事業の登録が必要です。「同じ下請けに出す行為」でも、相手が誰かによって手続が変わります。事業計画の変更手続については認可と届出の区分を整理した記事もあわせてご覧ください。

論点2|軽自動車を利用しても「利用運送」にはならない

貨物利用運送事業法でいう「実運送事業者」は、船舶運航事業者・航空運送事業者・鉄道運送事業者・貨物自動車運送事業者(一般貨物または特定貨物を経営する者)の4つです。軽貨物の事業者、索道、港湾運送を行う事業者はここに含まれません。したがって、軽貨物事業者だけを使って運送を手配する事業は、貨物利用運送事業には該当しないことになります。

また、第二種の集配に使う自動車についても、三輪以上の軽自動車と二輪は除かれています。集配を軽自動車で行う場合、その部分は貨物利用運送事業法の規制を受けません。

論点3|第二種の許可があれば、運送業の許可なしで自ら集配できる

第二種貨物利用運送事業の許可を受けた者で、許可申請の時点で貨物利用運送事業法第23条第5号に規定する者に当たる場合は、貨物自動車運送事業法第3条または第35条第1項の許可を受けることなく、自ら貨物の集配を行うことができます。根拠は貨物自動車運送事業法第37条の2第2項です。

この条番号には注意が必要です

国土交通省が公表している「貨物利用運送事業についてのQ&A」では、この規定が「貨物自動車運送事業法第37条第2項」として引用されています。しかし令和6年法律第23号による改正で、旧第37条は第37条の2に繰り下げられました。国土交通省の法令試験条文集にも「令六法二三・旧第三十七条繰下・一部改正」と明記されています。公表資料であっても改正前の条番号のままであることがあるため、条番号を引用するときは条文集で現行のものを確認してください。

論点4|100パーセント子会社でも、自ら登録・許可が必要

親会社が貨物利用運送事業の登録や許可を持っていても、子会社が貨物利用運送事業を行うには、子会社自身が登録または許可を取得する必要があります。また、物流子会社が親会社の商品輸送に加えて系列企業の輸送を元請けする場合も、系列か非系列かにかかわらず登録または許可が必要です。グループ内だから不要、という整理はできません。

論点5|「取次」と「利用運送」は別物

荷主に対して運送責任を負うのが利用運送、負わないのが取次です。取次事業は平成15年に規制が廃止されているため、現在は取次であれば登録も許可も不要です。ただし、契約書の表題が「取次」であっても、実際に荷主に対して運送責任を負っているのであれば利用運送に当たります。名称ではなく、責任の所在で判断されます。

無許可・無届出の罰則は3段階

区分ごとに手続がちがうように、手続を経ずに事業を始めてしまった場合の罰則も、区分ごとに異なります。3段階に分かれていることは、あまり知られていません。

図7|手続を経ずに営業した場合の罰則

手続を経ずに営業した場合の罰則 貨物軽自動車 無届出 100万円以下の罰金 法第75条第11号 特定貨物 無許可 1年以下の拘禁刑 または 150万円以下の罰金 法第71条第2号 一般貨物 無許可 3年以下の拘禁刑 または 300万円以下の罰金 併科されることも あります 法第70条第1号 罰則は3段階に分かれています 軽い 重い
表4|手続を経ずに営業した場合の罰則
行為条文罰則
一般貨物を無許可で経営法第70条第1号3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり)
特定貨物を無許可で経営法第71条第2号1年以下の拘禁刑または150万円以下の罰金(併科あり)
貨物軽自動車を無届出で経営法第75条第11号100万円以下の罰金
名義貸し・名義利用法第70条第2号〜第5号3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(併科あり)
法人にも罰金刑(両罰規定)法第80条行為者を罰するほか、法人にも各本条の罰金刑

刑名の表記について

令和7年6月1日施行の刑法改正により、懲役と禁錮は「拘禁刑」に一本化されています。インターネット上の法令データベースや古い解説には「懲役」のままの記載が残っていることがあります。本記事は改正後の表記で統一しています。

区分を確かめるチェックリスト

申請の前に、この順で確認してください

  • 運ぶのは他人の荷物か。自分が所有する荷物を自分で運ぶだけではないか。
  • 運送の対価を受け取るか。名目が何であれ、対価性があるかどうかで判断されます。
  • 事業として反復・継続して行うか。
  • 自分の車両で運ぶのか、他社の運送を利用するのか。
  • (自分で運ぶ場合)使う車両は三輪以上の軽自動車・二輪か、それ以外か。
  • (自分で運ぶ場合)荷主は特定の一者に限られるか、不特定か。
  • (利用する場合)利用する相手は、自ら運ぶ事業者か、運ばない事業者か。
  • (利用する場合)船舶・航空・鉄道の幹線と、その前後の集配を一貫して引き受けるか。
  • 複数の区分にまたがる場合、それぞれについて手続が必要になっていないか。
  • 将来の事業拡大で、区分が変わる可能性はないか。

区分の判断で迷ったら

実際の案件では、「自社の荷物のようにも、他人の荷物のようにも見える」「取次のつもりだったが運送責任を負っている」といった、判断が分かれる場面が出てきます。区分を誤ったまま事業を始めると、後から許可の取り直しが必要になることもあります。そら行政書士事務所では、事業の形をうかがったうえで、どの区分に当たるかの整理からご相談をお受けしています。お問い合わせはこちらから、事業の内容をお聞かせください。

まとめ

運送事業の区分は、条文の定義に沿って順に確認していけば、必ずどこかに落ち着きます。自分の車で運ぶなら、車両の種類と荷主が特定かどうかの2つで一般貨物・特定貨物・貨物軽自動車のいずれかに決まります。他社に運んでもらうなら、幹線と集配を一貫して引き受けるかどうかで第一種と第二種に分かれます。

難しいのは、この記事の後半で扱ったような、条文の言葉と実際の商流がずれる場面です。トラック事業者どうしの利用、軽自動車の扱い、取次との境界。いずれも国土交通省がQ&Aを出しているということは、それだけ判断が分かれてきた論点だということでもあります。ご自身の事業がどこに当たるか判断がつかない場合は、申請の前に管轄の運輸支局か、専門家にご確認ください。

参照した根拠・出典を見る

貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)/国土交通省物流・自動車局貨物流通事業課「一般貨物自動車運送事業等に係る法令試験条文集」により確認。

  • 第2条第1項(貨物自動車運送事業の3区分)、第2項(一般貨物の定義)、第3項(特定貨物の定義)、第4項(貨物軽自動車の定義)、第7項(貨物自動車利用運送の定義)
  • 第3条(一般貨物の許可)/第6条(許可の基準)/第35条第1項(特定貨物の許可)、第3項(許可の基準)/第36条第1項(貨物軽自動車の届出)/第36条の2(貨物軽自動車安全管理者の選任等)
  • 第37条の2第2項(第二種貨物利用運送事業者に関する特例)。同条は令和6年法律第23号により旧第37条から繰り下げられています。
  • 罰則:第70条第1号・第2号から第5号、第71条第2号、第75条第11号、第80条(両罰規定)

条文集の引用にあたっての注記:本記事の執筆時に取得できた条文集は令和7年4月21日更新版でした。同版では自由刑が「懲役又は禁錮」と表記されていますが、令和7年6月1日施行の刑法改正により拘禁刑に一本化されているため、本記事は「拘禁刑」で記載しています。

貨物利用運送事業法(平成元年法律第82号)および国土交通省「貨物利用運送事業についてのQ&A」により確認。

  • A1:貨物利用運送事業の定義と、実運送事業者に当たる4種の事業者。軽自動車・索道・港湾運送を行う者は実運送事業者に当たらないこと。
  • A2:第一種と第二種の違い(第一種は一つの輸送手段、第二種は幹線と前後の集配を一貫)
  • A3:貨物取次事業との違い(運送責任の有無、平成15年の規制廃止)
  • A8:片方の集配しかない場合は第一種に該当すること(法第2条第8項)
  • A9:集貨・配達のための自動車から三輪以上の軽自動車と二輪が除かれること
  • A13:登録免許税(第一種の登録=法第3条第1項・9万円/第二種の許可=法第20条・12万円)
  • A22・A23:子会社・物流子会社も自ら登録または許可が必要であること
  • A27:標準処理期間(第一種の登録2〜3か月/第二種の許可3〜4か月)
  • A45:トラック事業者が実運送事業者を利用する場合は法第19条の適用除外に当たり登録は不要だが、貨物自動車運送事業法にもとづく事業計画の変更認可が必要であること。利用運送専業者を利用する場合は第一種の登録が必要であること。
  • A46:第二種の許可を受けた者で法第23条第5号に規定する者に当たるものは、貨物自動車運送事業の許可を受けずに自ら集配できること。※同Q&Aは根拠を旧条番号「貨物自動車運送事業法第37条第2項」で記載しています。

ナンバープレートの配色/国土交通省自動車局自動車情報課「ナンバープレートの現状について」により確認。自家用の登録車および二輪は白色地に緑文字、事業用の登録車および二輪は緑色地に白文字、自家用の軽自動車は黄色地に黒文字、事業用の軽自動車は黒色地に黄色文字とされています。同資料はナンバープレートの社会的な機能として「自家用自動車と事業用自動車の識別」および営業類似行為の防止を挙げています。なお同資料は平成23年度のものです。配色そのものは自動車登録番号標の様式(道路運送車両法施行規則第11条・第1号様式)によります。

国土交通省「貨物利用運送事業」ページにおける、第一種の登録のみで第二種の事業を行っている例への注意喚起も参照しました。

一般貨物の登録免許税額(12万円)および近畿運輸局における標準処理期間(おおむね3〜5か月)は、当事務所がこれまでに確認した内容によります。

法令・告示・通達・公示は、著作権法第13条により著作権の目的とならないものとされています。本記事における条文の引用はこれに基づくものです。

本記事の内容は2026年7月時点で確認した情報にもとづいています。制度は改正されることがありますので、実際の手続にあたっては管轄の運輸支局または国土交通省の最新の公表資料をご確認ください。

この記事を書いた人

行政書士 田丸浩史(登録番号 26261852)
そら行政書士事務所
〒562-0014 大阪府箕面市萱野2-6-8-203
TEL 070-8556-0921/tamaru@sora-gyosei.com

大阪・箕面を拠点に、一般貨物自動車運送事業の許可申請と、役員法令試験対策を扱っています。記事は法令の原文と官公庁の公表資料にあたって作成しており、裏付けが取れていない事項は「確認できていません」と明記しています。

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この記事を書いた人

田丸 浩史のアバター 田丸 浩史 行政書士

大阪府箕面市を拠点とする行政書士。運送業を専門とし、新規許可から各種変更届出・法令試験対策まで大阪府全域に対応。

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