トラックの運転日報|記載10項目・保存1年と、全車両に広がった荷待ちの記録を解説

運転日報に書かなければならないことは、10項目あります。保存は1年間。巡回指導でも監査でも必ず開かれる帳票で、記載漏れは警告、まったく記録がなければ30日車、書き換えれば60日車という基準が定められています。

そして令和7年4月から、荷待ち時間と荷役作業の記録が全車両に広がりました。以前は8トン以上の大型だけの話でしたが、いまは軽トラック1台の事業者にも関わります。市販のひな形や社用車向けのテンプレートには、この欄がありません。

この記事では、何を書き、どれだけ保存し、どこを見られるのかを、条文と通達にもとづいて整理します。緑ナンバーの話に絞っています。

この記事の要点

  • 運転日報は、条文では「業務の記録」といいます(安全規則第8条)。
  • 記載しなければならない事項は10項目。保存は1年間です。
  • 荷待ち時間と荷役作業の記録は、令和7年4月から全車両が対象になりました。
  • 荷主都合で30分以上待機したときが記録の対象です。
  • 運行記録計で代替できますが、記録されない事項は付記が必要です。
  • 紙でもデータでもかまいません。通達が明示しています。
目次

運転日報は条文では「業務の記録」です

まず言葉の整理から始めます。現場では運転日報、乗務記録、日報などと呼ばれますが、貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条の見出しは「業務の記録」です。条文のどこにも運転日報という語はありません。

しかも、この見出しは以前と変わっています。かつては「乗務等の記録」でした。令和5年の改正で「業務の記録」になっています。

なぜ「乗務」から「業務」に変わったのか

自動運転に対応するためです。特定自動運行保安員という、自動運行する事業用自動車の運行の安全を確保する業務を行う者が制度に加わりました。この人は運転席に座って運転するわけではないので、「乗務」という言葉では収まりません。運転者と特定自動運行保安員の両方を含む言葉として「業務」が選ばれた、という経緯です。単なる言い換えではありません。

この記事では、検索して来られる方に合わせて運転日報という言葉を使いますが、条文を確認するときは第8条の「業務の記録」を見てください。古い解説書やひな形には「乗務等の記録」と書かれたものが残っています。

緑ナンバーか白ナンバーか、まず切り分ける

運転日報を調べると、社用車の話とトラックの話が混ざって出てきます。根拠となる法令が別なので、記載事項も保存期間も違います。

表1 運転日報の根拠は2つあります
区分根拠この記事の対象
緑ナンバー(事業用自動車)貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条対象
白ナンバー(社用車)道路交通法にもとづく安全運転管理者の制度対象外

社用車を一定台数以上使う事業所には安全運転管理者を選任する義務があり、その業務として運転の状況を記録することが求められます。アルコールチェックの義務化にともなって関心が高まった分野ですが、これは道路交通法の話で、この記事では扱いません。

社用車向けの解説をそのまま当てはめないでください

「運転日報 テンプレート」で出てくる様式の多くは、社用車向けに作られたものです。緑ナンバーの事業用自動車で使うと、後述する10項目が足りないことがあります。特に荷待ち時間と荷役作業の欄は、社用車の様式には存在しません。

記録しなければならない10項目

安全規則第8条第1項が定めている記載事項です。運転者等ごとに記録させ、1年間保存しなければなりません。

表2 業務の記録に記載する事項
番号記載事項
1運転者等の氏名
2自動車登録番号または車両番号その他その事業用自動車を識別できる表示
3業務の開始および終了の地点および日時、主な経過地点、業務に従事した距離
4業務を交替した場合は、その地点および日時
5休憩または睡眠をした場合は、その地点および日時
6車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の普通自動車の場合は、貨物の積載状況
7荷主の都合により集貨地点等で待機した場合は、待機に関する6つの事項
8集貨地点等で荷役作業等を実施した場合は、その内容に関する4つの事項
9事故または著しい運行の遅延その他の異常な状態が発生した場合は、その概要および原因
10運行の途中で運行指示書による指示があった場合は、その内容
全車両が対象(9項目) 毎回書く 1 氏名 2 車両を識別できる表示 3 開始と終了の地点と日時   主な経過地点・業務に従事した距離 4 業務を交替した場合 5 休憩や睡眠をした場合 起きたときだけ書く 7 荷待ち時間 8 荷役作業等 9 事故や著しい運行の遅延 10 運行の途中の運行指示 車両で限定されるのは1項目だけ 6 貨物の積載状況 8トン以上または5トン以上の車両 の枠は、起きたときに書く項目 7と8は令和7年4月に限定が撤廃され、全車両が対象

車両の大きさで限定されるのは、6番の貨物の積載状況だけです。残りの9項目は全車両が対象になります。7番と8番はかつて大型に限られていましたが、令和7年4月に限定が撤廃されました。

もうひとつの軸が、毎回書くか、起きたときだけ書くかです。1から5までは毎回書く事項で、市販のひな形にもたいてい欄があります。6から10までは、その状況が起きたときに書きます。大型と小型を使い分けている事業者なら6番は大型に乗務した日だけ、荷待ちがなければ7番は空欄、事故がなければ9番も書きません。

見落とされやすいのは3番の「主な経過地点」と「距離」です

出発と到着だけを書いて終わりにしている日報を見かけますが、条文は主な経過地点業務に従事した距離も求めています。どこを通ってどれだけ走ったかが分からないと、勤務時間や運転時間の管理に使えません。

6番から8番は、章を分けて説明します。ここが実務でいちばん取り違えられている部分です。

10番の運行指示書については、運行指示書が必要な場合をまとめた記事で詳しく扱っています。運行の途中で新たに指示を出した場合、その内容を業務の記録に書かせる仕組みになっています。

貨物の積載状況は8トン以上・5トン以上だけ

表2の6番、貨物の積載状況の記録は、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の普通自動車で業務に従事した場合に限られます。

小型のトラックしか持っていない事業者や、軽貨物の事業者には、この項目の義務はありません。何をどれだけ積んだかを書く欄が様式にあっても、埋めなくてよい、ということになります。

この基準がかかるのは6番だけです

8トン以上・5トン以上という基準は、貨物の積載状況にだけかかります。次の章で扱う荷待ち時間と荷役作業の記録には、いまはかかりません。条文では第6号、第7号、第8号と号が分かれており、それぞれ対象が違います。ここを読み違えると、記録すべきものを記録していない状態になります。

荷待ちと荷役の記録は令和7年4月から全車両です

この記事でいちばんお伝えしたい部分です。荷待ち時間と荷役作業等の記録は、令和7年4月1日から、全ての車両が対象になりました。

もともとは車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の車両に限られていました。国土交通省が令和6年10月1日に公布し、令和7年4月1日に施行した改正により、この限定がなくなっています。

表3 荷待ち・荷役の記録義務が広がった経緯
施行内容対象
平成29年7月1日荷待ち時間の記録を義務化8トン以上・5トン以上
令和元年6月15日荷役作業等の記録を追加8トン以上・5トン以上
令和7年4月1日対象車両の限定を撤廃全車両

小型車だけで運んでいる事業者、軽貨物の事業者も対象です。これまで関係がなかった事業者が、去年から義務を負っています。

荷待ちは「荷主都合で30分以上」が目安です

条文には「待機した場合」としか書かれていませんが、国土交通省は荷主の都合により30分以上待機したときが記録の対象であるとし、30分未満の場合は記録を省略して差し支えないとしています。条文だけを読んでも分からない部分です。

「荷主の都合」とは何か

事業者としての運行計画または運行指示によらない、荷主の指示等によるものをいいます。事業者の都合により生じた待機時間は含まれません。早く着きすぎて待った、というのは事業者側の事情です。

待機した場合に記録するのは、次の6つです。集貨地点等、荷主から到着日時を指定された場合はその日時、実際に到着した日時、荷役作業の開始および終了の日時、附帯業務を実施した場合はその開始および終了の日時、集貨地点等から出発した日時。

集貨地点等で待機したか いいえ 不要 荷主の都合による待機か いいえ 不要 30分以上待機したか いいえ 省略可 記録が必要 令和7年4月から全ての車両が対象 記録するのは、集貨地点等・荷主から指定された 日時・到着した日時・荷役作業の開始と終了・ 附帯業務の開始と終了・出発した日時の6つ 事業者の都合で早く着いて待った時間は、 荷主の都合には当たらない

荷役作業等は「契約書にあるなら1時間以上」が対象です

荷役作業や附帯業務を実施した場合も記録が要ります。ここには条件があり、荷主との契約書に実施した荷役作業等の全てが明記されている場合は、要した時間が1時間以上であるときに限られます。裏を返せば、契約書に書かれていない作業をした場合は、時間の長短にかかわらず記録の対象です。

記録する内容は、集貨地点等、荷役作業等の開始および終了の日時、荷役作業等の内容、そしてこれらについて荷主の確認が得られたかどうかです。確認が得られなかった場合は、その旨を書きます。

荷待ちの記録にも、荷役作業の時刻が出てきます

前の節で挙げた待機の記録(表2の7番)にも「荷役作業の開始および終了の日時」が含まれています。ここが分かりにくいところです。7番は待機の一連の流れを到着から出発まで時刻で追うもの、8番は荷役作業そのものの内容と荷主の確認を残すもの、と役割が違います。荷主都合で30分以上待機し、そこで荷役作業もした場合は、どちらの記録も必要になります。

荷役作業または附帯業務を 実施したか 荷主との契約書に、その作業が 全て明記されているか 明記されている 合計1時間以上なら記録 1時間未満なら不要 明記されていない 時間にかかわらず 記録が必要 記録する4つ 集貨地点等/開始と終了の日時 荷役作業等の内容/荷主の確認の有無

この記録は、荷主との交渉材料になります

荷待ちと荷役の記録義務は、ドライバーの長時間労働の是正を目的として設けられたものです。国は、荷待ち時間を生じさせている荷主に対して勧告等を行う際の判断材料とすることを、改正の目的として挙げています。記録は義務であると同時に、取引条件を見直すための根拠にもなります。

運行記録計があるとき、日報はどうなるか

デジタコやアナログのタコグラフを積んでいる場合、日報との関係はどうなるのか。ここも条文に答えがあります。

安全規則第8条第2項は、第1項で記録すべき事項について、運転者等ごとに記録させることに代えて、運行記録計により記録することができると定めています。日報と運行記録計を二重に作る必要はありません。

ただし、記録されない事項は付記が必要です

同じ第2項の後段が、記録すべき事項のうち運行記録計により記録された事項以外の事項を、運転者等ごとに運行記録計による記録に付記させなければならないと定めています。

安全規則第9条が運行記録計に求めているのは、瞬間速度、運行距離、運行時間の記録です。ただしこれは、機器が記録できる範囲の上限という意味ではありません。

国土交通省は、デジタコで記録している場合を想定しています

国土交通省が公開している「荷待時間・荷役作業等記録票」の記載例には、様式の末尾に次の注記があります。

「別途デジタコなど他の方法で記録・保存している場合においては、当該項目については記載不要です。」

この記録票には、到着時刻、荷待待機の開始・終了時刻、荷待時間、附帯業務の開始・終了時刻、積込み/取卸しの開始・終了時刻、出発時刻といった欄が並んでいます。これらを別の方法で記録・保存しているなら、記録票に書き写す必要はないということです。

したがって何を書き足すことになるかは、使っている機器が何をどこまで記録・保存しているかで変わります。荷待ちや荷役の時刻まで記録できる機器であれば、書き足す範囲は狭くなります。

運行記録計が記録するもの 瞬間速度/運行距離/運行時間 業務の記録に代えることができる デジタコ等で記録していれば 記録票への記載は不要 荷待待機の開始・終了時刻/荷待時間 荷役・附帯業務の開始・終了時刻 到着時刻・出発時刻 国土交通省の記載例が注記 機器の記録だけでは埋まらないもの 荷主側担当者の確認/荷役作業等の内容 貨物の積載状況/事故の概要と原因 運行指示の内容 運行記録計による記録に付記が必要 書き足す範囲は機器によって変わる

つまり「タコグラフがあるから日報は不要」とはなりません。機器が記録していない部分を人が書き足すという関係です。ただし、その範囲は機器によって変わります。導入済みの機器が荷待ちや荷役の時刻を記録・保存しているかどうかを、一度ご確認ください。

7トンと8トン、基準が2つあります

混乱しやすい点をひとつ整理しておきます。運行記録計の装着義務と、貨物の積載状況を記録する義務では、車両の基準が違います。

表4 似ているが別の2つの基準
義務根拠基準
運行記録計による記録安全規則第9条車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上
貨物の積載状況の記録安全規則第8条第1項第6号車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上

7トンと4トン、8トンと5トン。1トンずつ違います。運行記録計が要る車両と、積載状況の記録が要る車両は、完全には重なりません。車両総重量7.5トンの車なら、運行記録計は必要ですが、積載状況の記録は不要ということになります。

なお運行記録計は、上の基準に当てはまる車両のほか、それを牽引する牽引自動車、特別積合せ貨物運送に係る運行系統に配置する事業用自動車にも義務があります。記録するのは瞬間速度、運行距離、運行時間で、保存期間は業務の記録と同じ1年間です。

紙でもデータでもかまいません

アプリやクラウドで日報を管理してよいのか、という質問をよく受けます。結論から申し上げると、どちらでもかまいません。

通達は第8条の解釈として、業務記録の記録・保存について、書面または電磁的方法による記録・保存のいずれでも差し支えないとしています。運行記録計の記録についても同じです。

紙のままでも違反ではありません

システムの導入を勧める記事が多いのですが、制度としては紙で足ります。導入するかどうかは、記録の正確さや集計の手間といった経営判断の問題であって、法令上の義務ではありません。手書きで10項目が漏れなく書けているなら、それで足りています。

逆に、システムを入れれば安心というものでもありません。機器が記録していない項目は、結局どこかで人が入力することになります。裏を返せば、荷待ちや荷役の時刻まで記録できる機器なら、人が書き足す範囲は狭くなります。導入を検討されるときは、荷待ちと荷役の記録がどう扱われるかを確認されるとよいと思います。

保存期間は1年間です

帳票ごとの保存期間は運送業の法定帳票一覧にまとめています。

業務の記録は、その記録を1年間保存しなければなりません。安全規則第8条第1項が定めています。

表5 主な帳票の保存期間
帳票保存期間
業務の記録(運転日報)1年
点呼記録簿1年
運行記録計による記録1年
運行指示書およびその写し運行の終了の日から1年
事故の記録3年
運転者等台帳運転者でなくなった日から3年

点呼記録簿と運行指示書については、点呼記録簿の書き方をまとめた記事もあわせてご覧ください。1年という期間は同じですが、記載事項はそれぞれ違います。

軽貨物にも義務があります

安全規則第8条は、貨物軽自動車運送事業者についても対象としています。ただし限定があり、四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送する事業者に限るとされています。

つまり黒ナンバーの軽トラックや軽バンで運送している事業者には、業務の記録の義務があります。二輪、いわゆるバイク便は対象外です。

令和7年4月からは荷待ちの記録も対象です

第5章で述べたとおり、荷待ち時間と荷役作業の記録は全車両が対象になりました。軽貨物の事業者も、荷主都合で30分以上待機したときは記録が必要です。一人で運送している場合であっても、自ら記録することになります。

貨物軽自動車運送事業の安全対策は、近年まとめて強化されています。貨物軽自動車安全管理者の選任、運転者等台帳の作成、点呼の実施など、以前はなかった義務が加わりました。黒ナンバーについてまとめた記事で全体像を整理しています。

巡回指導と行政処分で見られるところ

業務の記録は、巡回指導でも監査でも必ず見られる帳票です。行政処分の基準も細かく定められています。

表6 業務の記録に関する行政処分の基準
違反の内容初違反再違反
記録なし 5件以下警告10日車
記録なし 6件以上10日車20日車
全て記録なし30日車60日車
記載事項等の不備警告10日車
記録の改ざん・不実記載60日車120日車
保存 一部なし警告10日車
保存 全てなし30日車60日車

件数は30業務に対して数えます。点呼が100回に対して、運行指示書が30運行に対して数えるのと同じ考え方です。

書かないことより、嘘を書くことのほうが重い

表6を見ると、全て記録なしが30日車であるのに対し、記録の改ざん・不実記載は60日車です。倍の重さになっています。点呼記録簿でも同じ構造です。監査の前に日報を作り直す、実際とは違う時刻を書く、といった対応は、記録がない状態より重く扱われます。

巡回指導では、帳票類の整備が指導項目のひとつになっています。記載事項の漏れや保存の不備が指摘されやすい部分です。巡回指導の項目と評価区分をまとめた記事で全体を整理しています。

なお、記録するのは運転者、記録させて保存するのは運行管理者、と役割が分かれています。安全規則第17条第6号が運転者の遵守事項として記録することを定め、第20条第9号が運行管理者の業務として記録させ保存することを定めています。運転者が書き忘れたという状況は、運行管理者が記録させていないという評価になり得ます。

よくあるご質問

Q 運転日報と業務の記録は違うものですか。

A 同じものです。現場では運転日報や乗務記録と呼ばれますが、貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条の見出しは「業務の記録」です。令和5年の改正で「乗務等の記録」から変わりました。

Q 保存期間は何年ですか。

A 1年間です。点呼記録簿や運行記録計の記録と同じ期間ですが、事故の記録は3年、運転者等台帳は運転者でなくなった日から3年と、帳票によって異なります。

Q 荷待ち時間の記録は大型車だけではないのですか。

A 令和7年4月1日から全車両が対象になりました。それ以前は車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の車両に限られていましたが、この限定は撤廃されています。

Q 何分待機したら記録が必要ですか。

A 国土交通省は、荷主の都合により30分以上待機したときが対象であるとし、30分未満は記録を省略して差し支えないとしています。条文には時間の定めがありません。

Q 早く着きすぎて待った時間も記録しますか。

A 記録の対象は荷主の都合による待機です。事業者の運行計画や運行指示によらない荷主の指示等によるものをいい、事業者側の事情で生じた待機は含まれません。

Q 荷役作業はすべて記録するのですか。

A 荷主との契約書に実施した荷役作業等の全てが明記されている場合は、要した時間が1時間以上のときに限られます。契約書に書かれていない作業をした場合は、時間にかかわらず記録の対象です。

Q デジタコがあれば日報は不要ですか。

A 不要にはなりません。記録すべき事項を運行記録計で記録することはできますが、記録されない事項は付記が必要です。ただし書き足す範囲は機器によって変わります。国土交通省の荷待時間・荷役作業等記録票の記載例には、別途デジタコなど他の方法で記録・保存している場合は当該項目の記載は不要と注記されています。荷主側担当者の確認のように、機器の記録だけでは埋まらない項目は残ります。

Q 手書きのままでも問題ありませんか。

A 問題ありません。通達は、業務記録の記録・保存について書面または電磁的方法のいずれでも差し支えないとしています。記載事項が漏れなく書けていれば足ります。

Q 軽貨物でも運転日報は必要ですか。

A 四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送する事業者は対象です。二輪のいわゆるバイク便は対象外です。令和7年4月からは荷待ち時間の記録も対象になっています。

Q 記載事項が漏れていた場合、どうなりますか。

A 記載事項等の不備として、初違反で警告、再違反で10日車という基準が定められています。まったく記録していない場合は30日車、記録を改ざんした場合は60日車です。

Q 運行記録計の装着義務がある車両の基準は同じですか。

A 違います。運行記録計は車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上、貨物の積載状況の記録は8トン以上または5トン以上です。1トンずつ基準が異なります。

Q 社用車の運転日報と同じ様式を使ってもよいですか。

A おすすめしません。社用車は道路交通法にもとづく安全運転管理者の制度によるもので、根拠も記載事項も異なります。特に荷待ち時間と荷役作業の欄は、社用車向けの様式にはありません。

参照した根拠と出典を見る

貨物自動車運送事業輸送安全規則(平成2年運輸省令第22号、最終改正 令和7年12月15日国土交通省令第120号)第8条、第9条、第17条、第20条。条文は国土交通省が公表している一般貨物自動車運送事業等に係る法令試験条文集(令和8年6月1日更新)によりました。第8条第1項が業務の記録の記載事項と1年間の保存を、第2項が運行記録計による代替と付記を、第9条が運行記録計による記録を定めています。

貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について(平成15年3月10日制定、最終改正 令和8年6月26日 国自貨第106号ほか)第8条の解釈。業務の記録および運行記録計による記録の記録・保存について、書面または電磁的方法のいずれでも差し支えないとされています。

国土交通省「乗務記録の記載対象となる荷待時間・荷役作業等について」。荷待時間の記録義務化が平成29年7月1日施行、荷役作業等の記録義務化が令和元年6月15日施行であること、記録すべき事項が示されています。

国土交通省「荷待時間・荷役作業等記録票」(記載例)。上記ページに「様式(記載)の例」として掲載されている記録票です。様式の末尾に「別途デジタコなど他の方法で記録・保存している場合においては、当該項目については記載不要です。」との注記があります。欄は、日付、担当ドライバー、集貨地点等、到着時刻、到着時間の指定時刻、荷待待機の開始・終了時刻、荷待時間、附帯業務の開始・終了時刻、積込み/取卸しの開始・終了時刻、出発時刻、ドライバーが実施した荷役作業等の内容、荷主側担当者確認欄などです。なお同じページの「荷役作業等の記録義務付けに関するQ&A集」には、デジタコや運行記録計への言及はありませんでした(2026年8月時点)。

国土交通省のリーフレット「荷待時間や荷役作業・附帯業務の『業務記録』への記録義務の対象が、全車両に拡大」。令和6年10月1日公布、令和7年4月1日施行の改正により対象車両の限定が撤廃されたこと、荷主都合により30分以上待機したときが記録の対象であること、契約書に明記がある場合の荷役作業等は合計1時間以上が対象であることが示されています。

国土交通省報道発表資料「トラックドライバーの荷待ち時間等の実態把握や解消に向けて、荷待ち時間等の記録を義務付けることとします」(平成29年5月31日公布)。改正の背景と目的、および「荷主の都合」の考え方によりました。

貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表(令和7年2月改正、令和7年4月施行)。業務の記録違反の基準日車、および30業務に対して件数を数えることが定められています。

本記事は2026年8月時点の法令等にもとづいて整理しています。制度は改正されることがありますので、実際の手続の前には原典または管轄運輸支局でご確認ください。

帳票の整備についてご相談を承っています

日報の様式が制度に合っているか、荷待ちの記録をどう運用するか、巡回指導を控えてどこを直すべきか。そら行政書士事務所では、許可を取ったあとに出てくるこうした課題についてご相談をお受けしています。事業報告書・事業実績報告書の作成は全国に対応しています。

運送業を経営されている方へのサービスお問い合わせ

この記事を書いた人

行政書士 田丸浩史(登録番号 26261852)/そら行政書士事務所

大阪府箕面市を拠点に、一般貨物自動車運送事業の許可申請と、変更届・認可申請・各種報告書といった許可後の手続、役員法令試験対策に取り組んでいます。事業報告書・事業実績報告書の作成と、役員法令試験対策は全国に対応しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

田丸 浩史のアバター 田丸 浩史 行政書士

大阪府箕面市を拠点とする行政書士。運送業を専門とし、新規許可から各種変更届出・法令試験対策まで大阪府全域に対応。

目次