「巡回指導の通知が届いたが、何を用意すればよいのかわからない」「38項目と聞いたが、中身を見たことがない」。巡回指導について、こうしたご相談をいただくことがあります。巡回指導は運輸支局の監査とは別のもので、指導を受けたからといって直ちに行政処分になるわけではありません。ただし、評価が低い状態を放置すると、増車の手続が重くなったり、監査の対象として重点化されたりと、実務上の不利益が積み上がっていきます。この記事では、38項目の全文、評価がどう計算されるか、指摘を受けたあとにすべきこと、そして評価が低いと具体的に何が起きるのかを、適正化事業実施機関が公表している資料と法令にもとづいて整理します。
この記事の要点(先に結論)
- 巡回指導は各都道府県トラック協会(適正化事業実施機関)が行う指導で、運輸支局が行う監査とは別のものです。会員・非会員を問わず、2年に1回を目標にすべての事業所が対象になります。
- 指導項目は7区分38項目です。6分野と説明する情報を見かけますが、東京都トラック協会の資料では7つの区分に分かれています。
- 総合評価は「適」「否」「判定不可」を付けた項目を母数(「該当せず」は除く)として、「適」の割合で決まります。38を分母にすると計算が合いません。
- 重点指導項目は9つあり、1つでも「否」があると評価が1段階下がります。複数あっても、引き下げは1段階のみです。
- 改善結果報告書の期限は通常3か月以内です。Gマークの評価申請に係る巡回指導で、認定要件のうち一定の項目について改善を求められた場合は1か月以内になります。改善できていなくても、報告書は期限までに出します。
- D・E評価には実害があります。E評価だと増車が事前届出ではなく認可申請になり、D・E評価は監査強化と半年に1回の巡回指導の対象になります。
- 巡回指導で見られるのは、もともと法令上の義務がある帳票です。17の帳票の作成者・保存期間・根拠法令と、区分別の準備チェックリストは運送業の法定帳票一覧にまとめました。
巡回指導とは|監査・行政処分との違い
巡回指導とは、貨物自動車運送適正化事業実施機関(各都道府県のトラック協会に置かれています)が事業者の営業所を訪問し、法令の遵守状況を項目ごとに確認して指導するものです。平成2年12月に貨物自動車運送事業法が施行され、これにもとづいて設置された機関が担っています。
最初に押さえていただきたいのが、トラック協会の会員かどうかは関係ないという点です。東京都トラック協会の資料では、実施機関は2年に1回を目標に、会員・非会員を問わずすべての事業所を対象に巡回指導を行うとされています。「協会に入っていないから来ない」ということはありません。
監査・行政処分とは主体も目的も違います
混同されやすいのが、運輸支局が行う監査です。両者は実施する主体が異なり、できることも違います。
| 項目 | 巡回指導 | 監査 |
|---|---|---|
| 実施する主体 | 適正化事業実施機関(各都道府県トラック協会) | 地方運輸局・運輸支局(行政) |
| 目的 | 法令遵守状況の確認と指導・助言 | 法令違反の確認 |
| 事前の通知 | 概ね2週間前までに実施通知が送付されます | 通知される場合と、されない場合があります |
| 結果 | 指摘事項について改善を求められます | 違反が確認されれば行政処分の対象になります |
| 行政処分の権限 | ありません | あります |
適正化事業実施機関そのものに行政処分の権限はありません。ただし、巡回指導の結果が監査につながる経路は用意されています。東京都トラック協会の資料でも、巡回指導の結果、法令を遵守していない等の問題があった場合には行政による監査が実施されることがあるとされています。具体的にどのような場合に監査へつながるかは第7章で扱います。
資料の提出を、正当な理由なく拒むことはできません
「見せたくない帳票がある」という理由で提出を断ることはできません。貨物自動車運送事業法は、地方実施機関が地方適正化事業の実施に必要な限度において事業者に文書もしくは口頭による説明または資料の提出を求めることができるとし、事業者は正当な理由がないのにこれを拒んではならないと定めています。指導・助言の場ではありますが、任意の協力を求められているだけの場ではない、という点は押さえておいてください。
根拠条文を見る(貨物自動車運送事業法 第39条の3/説明又は資料提出の請求)
第三十九条の三 地方実施機関は、前条の規定によるもののほか、地方適正化事業の実施に必要な限度において、貨物自動車運送事業者に対し、文書若しくは口頭による説明又は資料の提出を求めることができる。
2 貨物自動車運送事業者は、地方実施機関から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
出典・基準日:貨物自動車運送事業法(令和8年5月21日施行時点。e-Gov法令検索で確認)。なお、適正化事業実施機関に関する第38条〜第39条の3は、令和6年法律第23号による改正でも条番号が動いていません。
通知から改善報告までの流れ
巡回指導は突然来るものではありません。概ね2週間前までに実施通知が届き、そのときに自主点検表などの書類が同封されます。全体の流れは次のとおりです。
図1:巡回指導の流れ(東京都トラック協会「トラック運送事業を適正に行うには-業務管理の要点-」2022年2月版5ページをもとに作成)
当日までにやっておくと差が出ること
- 帳票を1か所に集めておく。資料では、複数の項目にわたって関わりのある帳票はその都度必要になることもあるため、1か所に揃えておくとスムーズに進行するとされています
- 自主点検表を先に自分で埋める。ここで「否」になる項目が事前にわかります
- 日時が合わない場合は早めに連絡する。やむを得ない事情で指定の日時に受けられない場合は、早めに連絡するよう案内されています
38項目の全体像|7つの区分
指導項目は38あり、これが7つの区分に分かれています。「6分野」と説明している情報を見かけますが、東京都トラック協会の資料では7区分です。区分ごとの項目数は次のとおりです。
図2:38項目の7区分の内訳(東京都トラック協会「トラック運送事業を適正に行うには-業務管理の要点-」2022年2月版6〜7ページをもとに作成)
| 区分 | 項目数 | 重点指導項目 |
|---|---|---|
| Ⅰ 事業計画等 | 8 | ― |
| Ⅱ 帳票類の整備、報告等 | 5 | ― |
| Ⅲ 運行管理等 | 13 | 6 |
| Ⅳ 車両管理等 | 5 | 2 |
| Ⅴ 労基法等 | 4 | 1 |
| Ⅵ 法定福利 | 2 | ― |
| Ⅶ 運輸安全マネジメント | 1 | ― |
| 合計 | 38 | 9 |
重点指導項目は9つすべてがⅢ〜Ⅴに集まっています。運行管理・車両管理・健康診断まわりが、評価に対して重い扱いを受けているということです。9項目の一覧は第5章にまとめました。
38項目の全文と、区分ごとの確認帳票
ここからは38項目を区分ごとにすべて掲載します。あわせて、その区分で確認される主な帳票類も並べました。◎印が重点指導項目です。
Ⅰ 事業計画等(8項目)
| No. | 指導項目 |
|---|---|
| 1 | 主たる事務所及び営業所の名称、位置に変更はないか。 |
| 2 | 営業所に配置する事業用自動車の種別および数に変更はないか。 |
| 3 | 自動車車庫の位置及び収容能力に変更はないか。 |
| 4 | 乗務員の休憩・睡眠施設の位置、収容能力は適正か。 |
| 5 | 乗務員の休憩・睡眠施設の保守、管理は適正か。 |
| 6 | 届出事項に変更はないか。(本社巡回に限る) |
| 7 | 自家用貨物自動車の違法な営業類似行為(白トラの利用等)はないか。 |
| 8 | 名義貸し、事業の貸渡し等はないか。 |
確認される主な帳票類:1〜6は登記簿謄本等、経営許可申請書、役員変更届出書、事業計画変更事前届出書・事後届出書・認可申請書。7〜8は総勘定元帳、固定資産台帳、経費明細書、リース契約書、保険関係加入台帳、現金出納帳です。
1〜6で問われているのは、実態と事業計画が一致しているかです。営業所を移した、車庫を増やした、車両を増減したという事実があるのに手続をしていなければ、ここで「否」が付きます。どの変更が認可でどれが届出かは認可・事前届出・事後届出の区分を整理した記事にまとめています。
7と8は、他の項目とは性質が違います。白トラの利用や名義貸しは、改善して報告すれば済むという類の話ではありません。名義貸しがどのような経路で発覚し、何が問われるのかは名義貸しの罰則と発覚経路をまとめた記事で扱っています。
Ⅱ 帳票類の整備、報告等(5項目)
| No. | 指導項目 |
|---|---|
| 1 | 事故記録が適正に記録され、保存されているか。 |
| 2 | 自動車事故報告書を提出しているか。 |
| 3 | 運転者台帳が適正に記入され、保存されているか。 |
| 4 | 車両台帳が整備され、適正に記入等されているか。 |
| 5 | 事業報告書及び事業実績報告書を提出しているか。(本社巡回に限る) |
確認される主な帳票類:事故記録簿、自動車事故報告書(控)、運転者台帳、車両台帳(自動車検査証の写し等)、事業報告書・事業実績報告書(控)です。この区分で問われる帳票を含め、法令上そもそも作成・保存が義務づけられている17の帳票は、作成者・保存期間・根拠法令をまとめた一覧に整理しています。
5番は「出していれば適、出していなければ否」で終わる項目です
この項目で問われるのは提出したかどうかです。愛知県の実施機関が挙げている挙証書類も「運輸支局の受付印があるもの(前年度分)」とされています。期限内に提出し、受付印のある控えを保管しておけば足ります。決算後100日以内の事業報告書と、毎年7月10日までの事業実績報告書は、期限の決まり方が別なので混同にご注意ください。
Ⅲ 運行管理等(13項目)
| No. | 指導項目 | 重点 |
|---|---|---|
| 1 | 運行管理規程が定められているか。 | |
| 2 | 運行管理者が選任され、届出されているか。 | ◎ |
| 3 | 運行管理者に所定の講習を受けさせているか。 | |
| 4 | 事業計画に従い、必要な員数の運転者を確保しているか。 | |
| 5 | 過労防止を配慮した勤務時間、乗務時間を定め、これを基に乗務割が作成され、休憩時間、睡眠のための時間が適正に管理されているか。 | ◎ |
| 6 | 過積載による運送を行っていないか。 | |
| 7 | 点呼の実施及びその記録、保存は適正か。 | ◎ |
| 8 | 乗務等の記録(運転日報)の作成・保存は適正か。 | |
| 9 | 運行記録計による記録及びその保存・活用は適正か。 | |
| 10 | 運行指示書の作成、指示、携行、保存は適正か。 | |
| 11 | 乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか。 | ◎ |
| 12 | 特定の運転者に対して特別な指導を行っているか。 | ◎ |
| 13 | 特定の運転者に対して適性診断を受けさせているか。 | ◎ |
確認される主な帳票類:運行管理規程、運行管理者選任・解任届(控)、同資格者証、同講習手帳、運転日報、運行指示書、乗務基準(特別積み合せ事業に限る)、運行計画及び勤務割当表、運行記録計による記録(タコチャート、グラフ)、乗務実績一覧表(拘束時間管理表)、点呼記録簿・点呼執行要領、乗務記録(運転日報)、運転者への指導教育計画表・同記録簿、適性診断受診結果表、運転記録証明書、無事故無違反証明書です。
13項目中6項目が重点指導項目です。この区分でつまずくと、割合の面でも、1段階引き下げの面でも二重に効いてきます。
Ⅳ 車両管理等(5項目)
| No. | 指導項目 | 重点 |
|---|---|---|
| 1 | 整備管理規程が定められているか。 | |
| 2 | 整備管理者が選任され、届出されているか。 | ◎ |
| 3 | 整備管理者に所定の研修を受けさせているか。 | |
| 4 | 日常点検基準を作成し、これに基づき点検を適正に行っているか。 | |
| 5 | 定期点検基準を作成し、これに基づき、適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿等が保存されているか。 | ◎ |
確認される主な帳票類:整備(車両)管理規程、整備管理者選任・解任届(控)、同資格者証、同研修手帳、日常点検基準、日常点検表、定期点検基準、定期点検整備実施計画表、点検整備記録簿(12か月、3か月)です。
Ⅴ 労基法等(4項目)
| No. | 指導項目 | 重点 |
|---|---|---|
| 1 | 就業規則が制定され、届出されているか。 | |
| 2 | 36協定が締結され、届出されているか。 | |
| 3 | 労働時間、休日労働について違法性はないか(運転時間を除く)。 | |
| 4 | 所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正にされているか。 | ◎ |
確認される主な帳票類:就業規則、労基法36協定、出勤簿、健康診断結果です。
Ⅵ 法定福利(2項目)
| No. | 指導項目 |
|---|---|
| 1 | 労災保険・雇用保険に加入しているか。 |
| 2 | 健康保険・厚生年金保険に加入しているか。 |
確認される主な帳票類:労災・雇用保険加入台帳、健保・厚生年金加入台帳、賃金(給与)台帳、保険料納入告知書(領収済通知書等)です。
Ⅶ 運輸安全マネジメント(1項目)
| No. | 指導項目 |
|---|---|
| 1 | 運輸安全マネジメントの実施は適正か。 |
確認される主な帳票類:安全管理規程、安全管理規程設定(変更)届出書、安全統括管理者選任(解任)届出書、運輸安全マネジメントに関する公表資料です。資料には、これらは法に定める一定の規模以上の事業者の本社巡回に限る(車両が配置されていない場合は、本社営業所に準ずる営業所)と注記されています。安全管理規程の義務は現行法では第14条に置かれており、事業用自動車の数が国土交通省令で定める数未満の事業者は対象外とされています。
その他法令で定められている項目(3項目・38には含みません)
| No. | 項目 |
|---|---|
| 1 | 利用運送事業(旧取扱事業)に関する届出事項、業務に変更はないか。 |
| 2 | 特別積合せ貨物運輸に関する届出事項、業務に変更はないか。 |
| 3 | 車体表示、運賃料金の届出等その他の項目が適正に行われているか。 |
この3項目は38項目とは別枠で掲載されており、確認する帳票類として自主点検表が挙げられています。自主点検表は巡回の通知に同封されます。
根拠を見る(38項目と帳票類の出典)
本章の38項目および確認帳票類は、東京都トラック協会が発行する冊子「トラック運送事業を適正に行うには-業務管理の要点-」の「<巡回指導の38項目と帳票類>」(6〜7ページ)に掲載されているものです。項目の文言は同資料の記載に従っています。
同資料には、巡回指導の際はこれらの帳票を見せることになること、帳票の種類が重複しないように記載しているが複数の項目にわたって関わりのある帳票はその都度必要になることもあること、そのため巡回時に帳票類を1か所に揃えておくとスムーズに進行することが記されています。
出典・基準日:東京都トラック協会「トラック運送事業を適正に行うには-業務管理の要点-」(2022年2月版)。指導項目や運用は改定されることがあり、都道府県によって様式や運用に差がある場合があります。実際に巡回指導を受けられる際は、同封される自主点検表と、所属される都道府県トラック協会の案内をご確認ください。
評価はどう決まるか|母数は38ではありません
巡回指導が終わると、総合評価が付きます。ここで多くの解説が省略しているのが、割合を計算するときの分母です。
「該当せず」の項目は分母から外れます
評価の方法を最も具体的に示しているのが、愛知県貨物自動車運送適正化事業実施機関が巡回指導後に交付する「貨物自動車運送事業の改善事項及び総合評価について」(令和5年4月改訂)です。ここには次のように書かれています。
総合評価の計算方法
「適」・「否」・「判定不可」を付けた項目(「該当せず」は含めない)を母数として、そのうち「適」の占める割合で5段階(A〜E)評価をする。ただし重点指導項目に「否」がある場合は、総合評価の分類を1段階引き下げる。
押さえどころが2つあります。ひとつは、38はあくまで指導項目の総数であって、計算に使う分母ではないこと。もうひとつは、分母に「判定不可」も入ることです。書類が見当たらず判定できなかった項目は、母数には数えられるのに「適」にはならないので、割合を押し下げます。「該当せず」とは扱いがまったく違います。
「本社巡回に限る」とされている項目(届出事項、事業報告書・事業実績報告書)は、本社以外の営業所への巡回では該当しないことになります。運輸安全マネジメントも、一定の規模以上の事業者の本社巡回に限るとされています。営業所の実情によって、分母は38より小さくなります。
| 評価 | 「適」の占める割合 |
|---|---|
| A | 90%以上 |
| B | 80%以上〜90%未満 |
| C | 70%以上〜80%未満 |
| D | 60%以上〜70%未満 |
| E | 60%未満 |
| F(その他) | 指導項目が26項目以下 |
6段階目の「F(その他)」は、評価が悪いという意味ではありません
A〜Eの5段階として説明されることが多いのですが、実施機関によっては6段階目が併記されています。神奈川県貨物自動車運送適正化事業実施機関は「F(その他):指導項目が26項目以下」とし、茨城県トラック協会は「その他 = 特別や集合巡回等で指導項目が26項目以下の場合」としています。名称は違いますが、定義は同じです。
これは点数が低いから付く評価ではなく、そもそも調査した項目数が少ない巡回で使われる区分です。どういう巡回でそうなるのかは、茨城県トラック協会が公表している巡回の種別を見るとわかります。
| 種別 | 内容 |
|---|---|
| 通常 | 基本的に2年に1度行う巡回 |
| 新規(新規参入) | 運送業に新規に参入した事業者に対する巡回 |
| 新規(新設営業所) | すでに運送業を営んでいた事業者が新たに開設した営業所に対する巡回 |
| 特別(乗務告示違反) | 労働基準監督署から指導を受けた営業所に対して、改善基準告示の内容に特化して調査する巡回 |
| 特別(支局監査後の改善確認) | 運輸支局から監査を受けた営業所に対して、指摘項目の改善状況を確認する巡回 |
| 個別/集合 | 保有車両が5両未満の霊柩事業者等に対して、協会へ必要書類を持参してもらい行う巡回 |
特別巡回は特定のテーマに絞って調べるため、そもそも38項目を見ません。個別・集合巡回も同様です。通常の巡回を受ける事業者には基本的に関係のない区分と考えて差し支えありません。
出典・基準日:神奈川県貨物自動車運送適正化事業実施機関「適正化巡回指導報告」(2026年6月分ほか)/茨城県トラック協会「適正化事業 巡回指導」ページ。2026年8月時点で確認しました。なお東京都トラック協会の冊子(2022年2月版)にはA〜Eの5段階のみが掲載されています。区分の名称や運用は都道府県によって差がありますので、詳しくは所属される協会にご確認ください。
同じ指摘件数でも、母数によって評価が変わります
「否」が3つだった場合を例に、分母の違いで評価がどう動くかを並べてみます。
| 母数(「該当せず」を除いた項目数) | 「適」の割合 | 評価 |
|---|---|---|
| 38 | 35÷38=92.1% | A |
| 34 | 31÷34=91.2% | A |
| 30 | 27÷30=90.0% | A |
| 28 | 25÷28=89.3% | B |
同じ「否」3つでも、分母が28になるとAには届きません。「指摘が何件までならA評価か」を件数だけで考えると計算が合わなくなるのは、このためです。なお上の表は、公表されている割合の基準にもとづく当事務所の計算例であり、実際の判定は実施機関が行います。
重点指導項目に「否」があると、1段階下がります
割合で決まった評価は、そのまま確定するとは限りません。重点指導項目9つのうち1つでも「否」があると、評価が1段階引き下げられます。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| Ⅲ 運行管理等 | 運行管理者が選任され、届出されているか |
| Ⅲ 運行管理等 | 過労防止を配慮した勤務時間・乗務時間の設定と、乗務割・休憩睡眠時間の管理 |
| Ⅲ 運行管理等 | 点呼の実施及びその記録、保存 |
| Ⅲ 運行管理等 | 乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督 |
| Ⅲ 運行管理等 | 特定の運転者に対する特別な指導 |
| Ⅲ 運行管理等 | 特定の運転者に対する適性診断の受診 |
| Ⅳ 車両管理等 | 整備管理者が選任され、届出されているか |
| Ⅳ 車両管理等 | 定期点検基準にもとづく点検・整備と、点検整備記録簿の保存 |
| Ⅴ 労基法等 | 所要の健康診断の実施と、記録・保存 |
図3:総合評価の決まり方(愛知県・神奈川県の各貨物自動車運送適正化事業実施機関および東京都トラック協会の公表資料をもとに作成)
「否」が2つ以上あっても、下がるのは1段階だけです
愛知県貨物自動車運送適正化事業実施機関が交付する通知には、「なお、複数『否』があっても、評価の引き下げは1段階のみとする」と明記されています。重点指導項目を2つ落としても3つ落としても、引き下げは1段階です。ただし、「否」が増えれば割合そのものが下がりますので、結果として評価が2段階分落ちることはあります。
根拠を見る(評価基準の出典)
愛知県貨物自動車運送適正化事業実施機関「貨物自動車運送事業の改善事項及び総合評価について」(令和5年4月改訂)の【参考】欄には、「適」・「否」・「判定不可」を付けた項目(「該当せず」は含めない)を母数として、そのうち「適」の占める割合で5段階(A〜E)評価をすること、ただし重点指導項目に「否」がある場合は総合評価の分類を1段階引き下げること、なお複数「否」があっても評価の引き下げは1段階のみとすることが記載されています。区分はA:90%以上、B:80%以上90%未満、C:70%以上80%未満、D:60%以上70%未満、E:60%未満です。
神奈川県貨物自動車運送適正化事業実施機関は、毎月公表している巡回指導報告のなかで同趣旨の評価方法を示し、あわせてF(その他):指導項目が26項目以下という区分を掲げています。茨城県トラック協会は同じ内容を「その他 = 特別や集合巡回等で指導項目が26項目以下の場合」として公表しています。
東京都トラック協会の冊子では、評価はA:適正に行われている項目が90%以上、B:80%以上〜90%未満、C:70%以上〜80%未満、D:60%以上〜70%未満、E:60%未満とされ、重点指導項目が「否」とされた場合は1段階下の評価となる旨が記載されています。
出典・基準日:上記各実施機関の公表資料。2026年8月時点で確認しました。様式や運用は都道府県によって差がありますので、実際に受けられる際は所属される協会の資料をご確認ください。
指摘を受けたら|2枚の用紙と報告の期限
巡回時に指摘事項があった場合、その場で2枚の用紙を受け取ります。
| 用紙 | 内容 |
|---|---|
| 1. 改善指導通知書 | 改善を求める指摘項目が箇条書きにされ、改善報告書提出の期限が記入されています |
| 2. 改善結果報告書 | 通知書と照らし合わせて、指摘項目をどのように改善したかを記載して提出します |
期限は2種類あります
改善結果報告書の提出期限
- 通常:巡回指導実施日から3か月以内
- 例外:Gマークの評価申請に係る巡回指導で、認定要件のうち「法に基づく認可申請、届出、報告事項等」または「社会保険等の加入」について改善報告を求められた場合は、巡回指導実施日から1か月以内
期限の最終日が土日祝にあたる場合は、直前の平日までとされています(後ろ倒しではありません)。
認定要件の項目は、期限を過ぎてから直しても認定されません
愛知県貨物自動車運送適正化事業実施機関の通知には、認定要件に係わる項目に関しては、未改善や改善期限を越えての改善は認定されないと明記されています。Gマークを申請するなら、この1か月は動かせない期限だと考えてください。どの項目が認定要件にあたるかは第8章に一覧を掲げています。
改善できていなくても、報告書は出します
ここを誤解している事業者が少なくありません。改善結果報告書は、改善の有無にかかわらず提出するものです。愛知県の通知には、改善できなかった事項についてはその理由と今後の見込みを報告するよう明記されています。東京都トラック協会の資料にも、指摘事項が複数あってすべての改善が間に合わないときは、期限までに改善できた部分を報告してほしいとあります。
「全部そろってから出そう」と考えて期限を過ぎるのが、いちばん避けたい対応です。次の章で見るとおり、改善結果報告を提出しないこと自体が監査強化の対象になっています。
提出のときに気をつけること
- 改善結果報告書に、改善状況を確認できる書類(挙証書類)を添えて協会へ提出します
- 挙証書類はすべてコピーで提出します(原本不可)。提出後は実施機関の確認を経て破棄されます
- 行政の受付印が要るものがあります。変更認可申請書・変更届出書・事故報告書・事業報告書・事業実績報告書・運行管理者選任届・整備管理者選任届は運輸支局の受付印があるもの、就業規則と36協定は労働基準監督署の受付印があるものが求められます
- 送った改善内容は運輸支局へ報告されます。改善が認められない場合は、再度提出することになります
- 改善点について疑問があれば、提出前に協会の適正化事業部へ相談できます
出典・基準日:愛知県貨物自動車運送適正化事業実施機関「貨物自動車運送事業の改善事項及び総合評価について」(令和5年4月改訂)の挙証書類等一覧/東京都トラック協会「トラック運送事業を適正に行うには-業務管理の要点-」(2022年2月版)8ページ。求められる挙証書類は都道府県によって差があります。
評価が低いと何が起きるか
巡回指導そのものに行政処分の権限はありません。しかし、D・E評価には実務上の不利益がはっきり用意されています。
1|E評価だと、増車が「届出」ではなく「認可」になります
事業用自動車の増減車は、原則として事前届出で足ります。ところが、「一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業に係る許可及び事業計画変更認可等に関する処理方針について」の改正(令和元年11月1日施行)により、一定の場合には認可申請が必要とされました。その一つが、増車する場合において巡回指導で「E評価」を受けているときです。
届出と認可では、手続の重さも所要期間もまったく違います。事業拡大のタイミングで足を取られることになるため、E評価を放置するコストは決して小さくありません。増減車を含む変更手続の区分は認可・届出の区分をまとめた記事で整理しています。
根拠を見る(処理方針による認可申請が必要となる場合)
事前届出をしなければならないものとして「事業計画の変更(法第9条3項) ア 各営業所に配置する事業用自動車の種別ごとの数の変更」が挙げられたうえで、次の注記が付されています。
「但し、『一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業に係る許可及び事業計画変更認可等に関する処理方針について』の改正(令和元年11月1日施行)により、➀5両未満での増減車の場合②増車する場合において、行政処分の累積点数が12点以上あったり巡回指導で『E評価』を受けている場合、③一定規模以上に大幅に増車する場合等については、認可申請が必要となりますので注意してください。」
出典・基準日:東京都トラック協会「トラック運送事業を適正に行うには-業務管理の要点-」(2022年2月版)12ページ。処理方針は改正されることがありますので、実際の手続にあたっては所管の運輸支局にご確認ください。
2|D・E評価は、監査強化と半年に1回の巡回指導の対象です
神奈川県貨物自動車運送適正化事業実施機関は、令和5年3月28日付けで「トラック事業者の法令順守の徹底を図るための措置について」の通達が一部改正され、総合評価がD・E評価となった事業者に対する行政の監査が強化されたことを公表しています。あわせて、D・E評価となった事業所を重点化し、巡回指導を半年に1回実施することとされました。
監査強化の対象として挙げられているもの
- 巡回指導の総合評価がD・E評価で、改善結果報告を提出しない事業者
- 総合評価が3回連続でD・E評価の事業者
- 令和5年3月末時点で過去3回の総合評価がE評価の事業者
注目していただきたいのが1つ目です。評価が低いこと自体ではなく、改善結果報告を出さないことが対象になっています。指摘を受けた事実より、そのあと動かなかった事実のほうが重く扱われる構造です。
愛知県貨物自動車運送適正化事業実施機関の通知は、この流れをさらに具体的に書いています。指摘事項について改善結果報告書の提出がない場合や、指摘事項がまったく改善されない場合には、国の監査の対象として管轄運輸支局等へ報告されるとされています。
そして見落とせないのが次の一文です。総合評価がD・Eの場合は、改善報告書を提出してすべて改善されていても、6か月後には巡回指導が実施されます。そこで3回連続してD・E評価となれば、国の監査の対象として運輸支局等へ報告されます。改善したから終わり、ではないということです。
図4:D・E評価を受けたあとの流れ(愛知県貨物自動車運送適正化事業実施機関の通知および近畿運輸局「適正化実施機関の活動」2025年7月をもとに作成)
3|IT点呼の要件にも、巡回指導の評価が使われます
Gマークの認定を受けていない営業所でも、営業所と自社の車庫の間に限ってIT点呼ができる場合があります。その要件の一つが、直近の巡回指導で総合評価が「D、E」以外であり、かつ点呼の項目の判定が「適」であることです。D・Eであったり点呼の項目が「否」であったりしても、3か月以内に改善報告書が提出され、A・B・Cかつ点呼「適」に改善されていればよいとされています。
点呼の運用を広げたい事業者にとって、巡回指導の評価は直接的な前提条件になっているということです。IT点呼とGマークの関係はGマークのメリットを整理した記事で詳しく扱っています。
根拠を見る(IT点呼の要件と巡回指導の評価)
貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用(第7条)は、Gマークの認定を受けていない営業所であっても、開設から3年経過していること、過去3年間に所属運転者が自らの責に帰する事故報告規則第2条の事故を発生させていないこと、過去3年間に点呼の違反に係る行政処分・警告を受けていないこと、そして直近の巡回指導において総合評価が「D、E」以外であり点呼の項目の判定が「適」であることのすべてを満たす場合に、当該営業所と当該営業所の車庫の間でIT点呼を行うことができる旨を定めています。総合評価がD・Eまたは点呼が「否」であっても、3か月以内に改善報告書が提出され、A・B・Cかつ点呼「適」に改善されていればよいとされています。
出典・基準日:貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用(令和8年6月26日最終改正)第7条。2026年8月時点で確認しました。
巡回指導とGマークの関係
巡回指導の結果は、Gマーク(安全性優良事業所)の認定審査にそのまま使われます。しかも、38項目は2つの異なる使われ方をしています。
図5:巡回指導38項目とGマークの対応(2025年度申請分のGマーク申請案内および東京都トラック協会の公表資料をもとに当事務所が整理)
ここで実務上いちばん効いてくるのが、事業報告書・事業実績報告書が「減点」ではなく「不認定」の側に置かれていることです。何点取れているかという話の前に、出していなければそこで終わります。制度の全体像はGマークの申請条件と評価基準をまとめた記事で整理しています。
区分ごとに、どちらへ振り分けられるか
38項目が7区分のどこからどちらへ入るかを整理すると、次のようになります。
| 区分 | 項目数 | 配点の対象 | 認定要件 | どちらにもなし |
|---|---|---|---|---|
| Ⅰ 事業計画等 | 8 | 1 | 5 | 2 |
| Ⅱ 帳票類の整備、報告等 | 5 | 3 | 2 | ― |
| Ⅲ 運行管理等 | 13 | 12 | 1 | ― |
| Ⅳ 車両管理等 | 5 | 4 | 1 | ― |
| Ⅴ 労基法等 | 4 | 4 | ― | ― |
| Ⅵ 法定福利 | 2 | ― | 2 | ― |
| Ⅶ 運輸安全マネジメント | 1 | 1 | ― | ― |
| 合計 | 38 | 25 | 11 | 2 |
Ⅵ 法定福利は2項目とも認定要件の側です。労働保険・社会保険の加入は、点数で挽回できる性質のものではないということになります。逆にⅢ運行管理等は13項目中12項目が配点対象で、ここが評価Ⅰの40点の中心になります。
認定要件になる11項目
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| Ⅰ-1 | 主たる事務所及び営業所の名称、位置に変更はないか |
| Ⅰ-2 | 営業所に配置する事業用自動車の種別および数に変更はないか |
| Ⅰ-3 | 自動車車庫の位置及び収容能力に変更はないか |
| Ⅰ-4 | 乗務員の休憩・睡眠施設の位置、収容能力は適正か |
| Ⅰ-6 | 届出事項に変更はないか |
| Ⅱ-2 | 自動車事故報告書を提出しているか |
| Ⅱ-5 | 事業報告書及び事業実績報告書を提出しているか |
| Ⅲ-2 | 運行管理者が選任され、届出されているか |
| Ⅳ-2 | 整備管理者が選任され、届出されているか |
| Ⅵ-1 | 労災保険・雇用保険に加入しているか |
| Ⅵ-2 | 健康保険・厚生年金保険に加入しているか |
並べてみると性格がはっきりします。11項目のうち8項目が「変更したのに手続をしていないか」「出すべきものを出しているか」という手続の話(Ⅰ-1、Ⅰ-2、Ⅰ-3、Ⅰ-6、Ⅱ-2、Ⅱ-5、Ⅲ-2、Ⅳ-2)で、残る3項目も休憩・睡眠施設の状況と保険の加入状況です。日々の運行管理の巧拙ではなく、事務手続の抜けと体制の有無を見ています。裏を返せば、ここは準備期間さえあれば埋められる部分です。
この振り分けについて
上の2つの表は、Gマーク申請案内(2025年度申請分)に掲載されている評価Ⅰの配点表と認定要件のチェックシートを、東京都トラック協会の38項目と突き合わせて当事務所が整理したものです。公表資料にこの対応表そのものが載っているわけではありません。
ただし表17の11項目については、別の一次情報で裏付けが取れています。愛知県貨物自動車運送適正化事業実施機関の改善結果報告書には、項目ごとに「G」の列があり、●印が付いた項目は期限内に改善されなければ認定されないと注記されています。この●印が付いているのは、Ⅰ-1、Ⅰ-2、Ⅰ-3、Ⅰ-4、Ⅰ-6、Ⅱ-2、Ⅱ-5、Ⅲ-2、Ⅳ-2、Ⅵ-1、Ⅵ-2 の11項目で、上の表と一致します。
各項目の配点や年度ごとの改定内容は、当該年度の申請案内でご確認ください。
Gマークを申請するなら、巡回指導のここが効きます
- 改善報告の期限が1か月になります。通常の3か月ではありません
- 改善しても加点はされません。巡回指導後に直しても、配点対象の項目は加点されないとされています
- 複数回受けている場合は1回目の結果が使われます(2026年度申請分。対象期間は2025年7月1日〜2026年10月31日)
出典・基準日:Gマーク申請案内(2026年度申請分/2025年度申請分)。年度ごとに改定されますので、申請の際は当該年度の版をご確認ください。
事前に整えておく帳票
巡回指導で確認されるのは、巡回指導のために新しく作る書類ではありません。もともと法令上、作成と保存が義務づけられている帳票です。裏を返せば、日ごろからこれらが整っていれば、通知が届いてから慌てて用意するものはほとんどありません。
法令により作成・保存が義務づけられている17の帳票について、作成者・保存期間・根拠法令をまとめた一覧と、第4章に挙げた「確認される主な帳票類」を区分ごとに並べたチェックリストは、運送業の法定帳票一覧|17の帳票の作成者・保存期間・根拠法令を行政書士が整理にまとめました。印刷してそろえた順に潰していける形にしています。
なお、重点指導項目である運行管理者・整備管理者の選任届については、選任届の期限・必要書類・記入例をまとめた記事で様式の欄ごとに解説しています。
よくある質問
巡回指導は何年に1回来ますか。
東京都トラック協会の資料では、実施機関は2年に1回を目標に、会員・非会員を問わずすべての事業所を対象に巡回指導を行うとされています。ただし総合評価がD・E評価となった事業所は重点化され、半年に1回実施されることとされています。
総合評価の分母は38項目ですか。
違います。愛知県貨物自動車運送適正化事業実施機関の通知では、「適」・「否」・「判定不可」を付けた項目(「該当せず」は含めない)を母数として、そのうち「適」の占める割合で評価するとされています。本社巡回に限るとされている項目などが該当しない営業所では、母数は38より小さくなります。また「判定不可」は母数に入るのに「適」にはならないため、割合を押し下げます。
重点指導項目に「否」が2つあると、2段階下がりますか。
下がりません。愛知県貨物自動車運送適正化事業実施機関の通知には、複数「否」があっても評価の引き下げは1段階のみとすると明記されています。ただし「否」が増えれば割合そのものが下がりますので、結果として評価が2段階分落ちることはあります。
改善結果報告書の期限はいつまでですか。
通常は巡回指導実施日から3か月以内です。Gマークの評価申請に係る巡回指導で、認定要件のうち「法に基づく認可申請、届出、報告事項等」または「社会保険等の加入」について改善報告を求められた場合は1か月以内とされています。期限の最終日が土日祝にあたるときは直前の平日までです。なお改善結果報告書は、改善の有無にかかわらず提出するものとされており、改善できなかった事項についてはその理由と今後の見込みを報告します。
トラック協会の会員でなくても巡回指導は来ますか。
来ます。実施機関は、各都道府県トラック協会の会員・非会員を問わず、すべての事業所を対象に巡回指導を行うとされています。巡回指導の概ね2週間前までに実施通知が送付されます。
巡回指導で指摘を受けると行政処分になりますか。
巡回指導そのものは指導であり、適正化事業実施機関に行政処分の権限はありません。ただし、法令を遵守していない等の問題があった場合には行政による監査が実施されることがあります。また総合評価がD・E評価で改善結果報告を提出しない事業者や、3回連続でD・E評価の事業者は、行政の監査が強化される対象とされています。
この記事で参照した根拠・出典を見る
1. 東京都トラック協会「トラック運送事業を適正に行うには-業務管理の要点-」(2022年2月版)
適正化事業の概要(4ページ)、巡回指導の流れと評価基準(5ページ)、巡回指導の38項目と帳票類(6〜7ページ)、巡回指導で指摘を受けたら(8ページ)、法令により義務づけられている帳票類の作成・保存(9ページ)、認可・届出の区分と処理方針の改正(12ページ)。
2. 神奈川県貨物自動車運送適正化事業実施機関の公表資料
「適正化巡回指導報告」(毎月公表)における評価方法の説明、および「巡回指導の総合評価がD・E評価事業者に対する行政の監査強化について」(令和5年3月28日付け「トラック事業者の法令順守の徹底を図るための措置について」の一部改正に関する案内)。
3. 愛知県貨物自動車運送適正化事業実施機関「貨物自動車運送事業の改善事項及び総合評価について」(令和5年4月改訂)
総合評価の算定方法(母数の取り方、複数「否」の扱い)、改善報告の提出期日、Gマークの評価申請に係る巡回指導の特例、指摘項目ごとの挙証書類と認定要件(「G」欄の●印)。
4. 茨城県トラック協会「適正化事業 巡回指導」。巡回の種別と総合評価の区分(「その他」の定義)。
5. 近畿運輸局「適正化実施機関の活動」(2025年7月)。D・E評価を受けたあとの巡回と運輸支局への報告の流れ。
6. 貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用(令和8年6月26日最終改正)第7条。IT点呼の要件。
7. Gマーク申請案内(2026年度申請分・2025年度申請分)。巡回指導の対象期間、配点対象と認定要件の区分。
8. 貨物自動車運送事業法(令和8年5月21日施行時点。e-Gov法令検索で確認)。本記事に記載した条番号は、この現行条文にもとづいて確認したものです。令和6年法律第23号(令和6年5月15日公布)による改正で条番号が動いた規定については、第9章の注意書きに一覧を掲げています。
注記:巡回指導の運用、様式、区分は都道府県によって差がある場合があり、また改定されることがあります。本記事は2026年8月時点で確認できた情報を整理したものです。実際に巡回指導を受けられる際は、同封される自主点検表と、所属される都道府県トラック協会の案内を必ずご確認ください。法令・告示・通達は著作権法13条により権利の目的とならない著作物にあたります。記載内容の正確性には努めていますが、本記事は一般的な情報提供であり、個別の判断を保証するものではありません。
巡回指導の準備と、指摘後の整理でお困りの方へ
そら行政書士事務所では、巡回指導に向けた帳票の整備と自主点検表の確認、事業計画と実態のずれの洗い出しと不足している届出・認可申請の作成提出、事業報告書・事業実績報告書の未提出分の作成と提出をお受けしています。報告書の作成と提出は全国に対応しています。
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