貨物自動車運送事業実績報告書(第4号様式)の記入例と書き方|一般貨物の事業者向けに行政書士が解説

事業実績報告書(正式名称は貨物自動車運送事業実績報告書、第4号様式)は、1年間の輸送実績を国に報告する書類です。毎年7月10日が期限で、決算月に関係なくすべての一般貨物自動車運送事業者に提出義務があります。ところが決算書からは1つも数字が出てこないため、「延実在車両数とは何日分を数えるのか」「実車キロにフェリーの区間は入るのか」といったところで手が止まりがちです。この記事では、第4号様式の欄ごとの記入方法を、様式の備考と国が定めた取扱要領の原文にあたって整理します。

この記事の要点

  • 延実在車両数は「車両数×365」では合いません。取扱要領は、一両ごとに在籍した日数を把握して全車両分を合計するよう定めています。増車・減車があった年度はずれます。
  • 従業員数は3月31日現在で、役員を含みません。事業報告書(第1号様式)の従業員数とは定義が違うため、両者が一致しないのが正常です。
  • 令和8年4月の法改正でも、第4号様式と提出期限は変わっていません(省令の新旧対照表で確認)。
  • 実車キロにはフェリー乗船中の距離を含めません。時間制運賃では、運賃収受の対象時間内なら空車走行も実車として扱います。
  • 「輸送トン数(利用運送)・全国計」の欄は、運送利用管理規程の作成義務が発生するかどうかの判定に使われます。国からの通知はないため、自分で確認する必要があります。
目次

事業実績報告書とは|第4号様式が求めているもの

一般貨物自動車運送事業者が毎年提出する報告書は2種類あります。決算の内容を報告する事業報告書と、輸送の実績を報告する事業実績報告書です。このうち事業実績報告書にあたるのが、貨物自動車運送事業報告規則第2条第3項に定められた貨物自動車運送事業実績報告書(第4号様式)です。

対象期間は前年4月1日から3月31日までの1年間、提出期限は毎年7月10日。決算月がいつであっても期限は動きません。これは運用ではなく、報告規則第2条の表そのものにそう書かれています。2種類の報告書の役割分担や提出先については、事業報告書の提出期限・様式・書き方をまとめた記事で扱っていますので、そちらもあわせてご覧ください。

根拠を見る(貨物自動車運送事業報告規則 第2条/抜粋)

第二条 貨物自動車運送事業者(貨物軽自動車運送事業者を除く。)は、次の表の第一欄に掲げる事業者の区分に応じ、同表の第二欄に掲げる国土交通大臣又はその主たる事務所の所在地を管轄する地方運輸局長(以下「所轄地方運輸局長」という。)に、同表の第三欄に掲げる報告書を、同表の第四欄に掲げる時期に提出しなければならない。

【一般貨物自動車運送事業者(次号に掲げる者を除く。)の行】
第二欄 所轄地方運輸局長
第三欄 毎事業年度に係る事業報告書/第四欄 毎事業年度の経過後百日以内
第三欄 前年四月一日から三月三十一日までの期間に係る事業実績報告書/第四欄 毎年七月十日まで

3 第一項の事業実績報告書は、貨物自動車運送事業実績報告書(第四号様式)とする。

出典:貨物自動車運送事業報告規則 第2条(令和8年4月1日施行)。表の他の行および第2項は省略しています。

この記事で扱うのは、そこから一段踏み込んだ「では、各欄に何をどう書くのか」です。第4号様式が求めているのは、決算書には出てこない数字ばかりです。車両が何日在籍していたか、何日動いたか、何キロ走ってそのうち何キロが積載走行だったか。いずれも日報や運行記録から集計するほかありません。

特定貨物自動車運送事業者は、実績報告書だけを出します

取扱要領は、報告書類の提出先を定めた箇所で「特定貨物自動車運送事業者については営業報告書の提出は要しない」としています。つまり特定貨物の事業者が提出するのは事業実績報告書のみ、ということです。

また、提出部数はいずれの場合も一部とされています。ただし受付印のある控えを手元に残すため、実務上は控え用をもう一部持参するのが一般的です。

令和8年4月の法改正で、様式と期限は変わったのか

2026年(令和8年)4月1日、トラック適正化二法の一部が施行されました。書面交付義務の対象拡大、委託次数の制限、違法な白トラを利用した荷主等への規制など、運送業をとりまく制度は大きく動いています。

そこで気になるのが、この改正で報告書の様式や期限が変わったのかどうかです。国土交通省が公表している法令試験条文集の目次では、貨物自動車運送事業報告規則の最終改正が「令和8年3月16日国土交通省令第13号」と表示されており、たしかに改正は入っています。

確認した結果:第4号様式は改正されていません

令和8年国土交通省令第13号(貨物自動車運送事業法施行規則等の一部を改正する省令)の新旧対照表を確認したところ、貨物自動車運送事業報告規則について改正されたのは第1条(趣旨)と第3条(臨時の報告)の2か条だけでした。

報告書の種類・提出時期を定めた第2条は改正の対象になっておらず、第4号様式にも変更はありません。したがって、令和8年7月10日期限の報告についても、従来どおりの様式と考え方で作成することになります。

さらに、様式そのものにも改正の履歴が印字されています。第4号様式の見出しは「第4号様式(第2条関係)(日本産業規格A列4版)」に続けて「平15国交令6・全改、令元国交令20・一部改正」と記されています。平成15年に全部改正され、直近の一部改正は令和元年の国土交通省令第20号だ、ということです。令和8年の改正は、この様式には及んでいません。

同じことは、e-Gov法令検索でもご自身で確認できます。報告規則のページで令和8年4月1日施行の版を開き、目次の上にある「差分箇所」を押すと、第1条と第3条だけが表示され、第2条・第2条の2・第4条および各様式は表示されません。この改正で触れられた条文がその2か条だけだ、ということです。

なお、改正された第3条(臨時の報告)は、国土交通大臣や運輸支局長から報告を求められたときに報告書を提出する義務を定めた規定です。改正前は貨物自動車運送事業者と特定第二種貨物利用運送事業者が対象でしたが、第一種・第二種の貨物利用運送事業者が広く対象に加えられました。定期の報告ではなく、求められたときに応じる義務の話です。

様式そのものは変わっていませんが、この報告書の使われ方は変わりました。その点は第6章で扱います。

第4号様式の全体像|基準日が2つあります

第4号様式は、大きく3つのブロックに分かれています。最初につまずきやすいのが、ブロックによって数える時点が違うことです。

表1:第4号様式の3つのブロックと、数える時点
ブロック記入する内容数える時点
事業概況事業用自動車の数・従業員数・運転者数3月31日現在(時点)
事業内容輸送品目・輸送形態を8項目+その他から選択前年4月1日〜3月31日(期間)
輸送実績・事故件数車両の延べ日数・走行距離・輸送量・収入・事故前年4月1日〜3月31日(期間)

事業概況だけが3月31日という一日の断面で、残りは1年間の累計です。3月に増車した場合、事業概況の車両数には増車後の数が入りますが、輸送実績の延実在車両数には1か月分しか反映されません。ここが食い違っていても誤りではありません。

また、この表は事業者ごとに一葉作成し、地方運輸局の管轄区域ごとに、その区域内にあるすべての営業所に配置された事業用自動車の実績を記載します。各項目の合計値を全国計の欄に書く、という構造です。大阪府内だけで営業している事業者であれば近畿の行と全国計の行に同じ数値が並ぶことになります。

行の並び順に注意してください

輸送実績の欄は10の地方の行と、全国計の行でできています。並び順は上から北海道・東北・北陸信越・関東・中部・近畿・中国・四国・九州・沖縄・全国計です。

五十音順でも人口順でもなく、近畿は中部の次、中国は近畿の次という並びです。自分の地方の行を1つずらして書き込む誤りが起きやすいところなので、記入前に行の位置を指で確かめてください。

欄ごとの記入方法

ここからは、取扱要領が定めている記載要領にしたがって、欄ごとに見ていきます。

番号は、この記事で付けたものです

第4号様式には番号が印字されていません。説明と記入例を行き来しやすくするため、この記事では上から順に①〜⑱の番号を付けています。後半の記入例の表にも同じ番号を入れていますので、基準と実際の数字を突き合わせながらご覧いただけます。実物の様式に同じ番号は書かれていませんので、その点だけご注意ください。

表2:第4号様式の記入欄一覧(①〜⑱・この記事で付けた番号)
番号書く基準単位・時点
区分行っている事業について、該当する事項をすべて○
事業者番号事業者において記載を要しない
あて先・住所・事業者名・代表者名・電話番号提出先の運輸局長をあてに、事業者の情報を記載
事業用自動車事業計画に記載された事業用自動車の数両/3月31日現在
従業員数運送事業に従事する従業員。役員は含まない。運転者数を含む人/3月31日現在
運転者数⑤の内数としての運転者の数人/3月31日現在
事業内容主なもの三項目以内を○。その他は品目と輸送形態を簡潔に―/1年間
延実在車両数一両ごとに在籍日数を把握し、全車両分を合計日車/1年間
延実働車両数稼働日数の累計。稼働かどうかは一日単位で判断日車/1年間
走行キロ年間の走行距離の実績値キロメートル/1年間
実車キロ積載して走行した距離。フェリー乗船中は含まないキロメートル/1年間
輸送トン数(実運送)総輸送トン数から利用運送分を除いた実績値トン/1年間
輸送トン数(利用運送)貨物自動車利用運送として取り扱った貨物取扱量トン/1年間
営業収入年間の営業収入の実績値千円/1年間
交通事故件数事業用自動車が関係したすべての交通事故件/1年間
重大事故件数自動車事故報告規則第2条の事故件/1年間
死者数事故発生から24時間以内に死亡した人人/1年間
負傷者数負傷し、治療を要した人人/1年間

⑧から⑭までの輸送実績は、地方運輸局の管轄区域ごとに行を分けて記載し、各項目の合計値を全国計の行に書きます。以下、番号ごとに詳しく見ていきます。

①|区分の欄

様式の右上にある「区分」の欄は、「一般」と「特定」の2つに分かれ、「一般」の下にさらに「特積」「利用」「霊柩」の枠が並ぶという作りになっています。5つが横一列に並んでいるのではありません。

ここは、行っている事業について該当する事項をすべて○で囲みます。1つだけを選ぶ欄ではありません。一般貨物の許可を持ち、貨物自動車利用運送も行っているのであれば、「一般」と「利用」の両方に○が付きます。

根拠を見る(①区分の欄)

様式の備考1
区分の欄は、該当する事項を〇で囲むこと。

取扱要領(第4号様式関係)
区分の欄は、行っている事業の区分について、該当するものすべて〇で囲むこと。

出典:第4号様式の備考、および貨物自動車運送事業報告規則に基づく報告書類の取扱要領について(平成3年5月1日 貨経第17号・貨陸第53号)の別紙。項目番号は要領独自のもので、本記事の①〜⑱とは対応しません。

②|事業者番号の欄

この欄は、事業者において記載する必要がありません。取扱要領の「その他注意事項」に明記されています。空欄のままで差し支えありません。

根拠を見る(②事業者番号の欄)

取扱要領「4 その他注意事項」
各様式中の事業者番号は、事業者において記載を要しない。

出典:貨物自動車運送事業報告規則に基づく報告書類の取扱要領について(平成3年5月1日 貨経第17号・貨陸第53号)の別紙より抜粋。項目番号は要領独自のもので、本記事の①〜⑱とは対応しません。

③④|あて先と、事業用自動車の数

③のあて先には、提出先となる地方運輸局長を書きます。住所・事業者名・代表者名・電話番号は、そのまま事業者の情報です。

④の事業用自動車の数は、3月31日現在の事業計画に記載された事業用自動車の数を書きます。実際に手元にある台数ではなく、事業計画上の数です。増減車の届出を出し忘れていると、この時点で実態と合わなくなります。

根拠を見る(③あて先・④事業用自動車の数)

取扱要領(第4号様式関係)
事業用自動車の数の欄は、3月31日現在の事業計画に記載された事業用自動車の数を記載する。

取扱要領「3 報告書類の提出先及び提出部数」
営業報告書及び事業実績報告書の提出先は、事業者の区分に従い以下のとおりである。いずれの場合も提出部数は一部である。なお、特定貨物自動車運送事業者については営業報告書の提出は要しない。

(1)特別積合せ貨物運送を行う一般貨物自動車運送事業者(運行系統が2以上の地方運輸局長の管轄区域に設定され、かつ、その起点から終点までの距離の合計(運行系統が重複する部分に係る距離を除く)が100キロメートル以上のものを経営する者に限る。)にあっては、国土交通大臣
(2)(1)以外の一般貨物自動車運送事業者にあっては、主たる事務所(本社)の所在地を管轄する地方運輸局長
(3)特定貨物自動車運送事業者にあっては、主たる事務所(本社)の所在地を管轄する地方運輸局長

出典:貨物自動車運送事業報告規則に基づく報告書類の取扱要領について(平成3年5月1日 貨経第17号・貨陸第53号)の別紙より抜粋。項目番号は要領独自のもので、本記事の①〜⑱とは対応しません。

⑤⑥|従業員数・運転者数の欄

従業員数は、3月31日現在における貨物自動車運送事業に従事する従業員の数です。取扱要領は、この欄について役員は含まないと定めています。運転者数を含めた数を書き、運転者数は別欄にも記入します。

兼業がある場合は、様式の備考に従い、主としてこの事業に従事している人数と、共通部門に従事している従業員のうちこの事業分として適正な基準により配分した人数を合計します。

根拠を見る(⑤従業員数・⑥運転者数)

取扱要領(第4号様式関係)
従業員数の欄は、3月31日現在における貨物自動車運送事業に従事する従業員(役員は含まない。)を記載する。

様式の備考2
従業員数は、兼営事業がある場合は、主として当該事業に従事している人数及び共通部門に従事している従業員のうち当該事業分として適正な基準により配分した人数とし、運転者数を含むものとする。

出典:第4号様式の備考、および貨物自動車運送事業報告規則に基づく報告書類の取扱要領について(平成3年5月1日 貨経第17号・貨陸第53号)の別紙。項目番号は要領独自のもので、本記事の①〜⑱とは対応しません。

⑦|事業内容の欄

ダンプによる土砂等輸送、冷凍・冷蔵輸送、コンクリートミキサー車による生コンクリート輸送、危険物等輸送、基準緩和認定車両による長大物品等輸送、原木・製材輸送、国際海上コンテナ輸送、引越輸送、その他。この中から主なもの三項目以内を○で囲みます。該当するものすべてではありません。

その他に記載する場合は、「食料品の集配」「機械部品の貸切輸送」のように、輸送品目と輸送形態を簡潔に書くこととされています。

危険物等の定義

様式の備考4は、危険物等とは自動車事故報告規則(昭和26年運輸省令第104号)の別記様式の(注)にいう「積載危険物等」をいう、と定めています。日常的な感覚で判断せず、この定義に当てはまるかどうかで判断してください。

根拠を見る(⑦事業内容)

様式の備考3
事業内容については、主なもの三項目以内を〇で囲むこと。

取扱要領(第4号様式関係)
事業内容の欄中、その他に記載する場合は、「食料品の集配」、「機械部品の貸切輸送」等、輸送品目、輸送形態を簡潔に記載する。

様式の備考4
危険物等とは、自動車事故報告規則(昭和26年運輸省令第104号)別記様式の(注)の「積載危険物等」をいう。

出典:第4号様式の備考、および貨物自動車運送事業報告規則に基づく報告書類の取扱要領について(平成3年5月1日 貨経第17号・貨陸第53号)の別紙。項目番号は要領独自のもので、本記事の①〜⑱とは対応しません。

⑧〜⑭|輸送実績の欄

「日車」は、車両1台が1日在籍または稼働したことを1と数える単位です。5両が1日在籍すれば5日車になります。

走行キロは、メーターの差で出すのが確実です

日報を1年分足し上げると手間も誤差も大きくなります。デジタコがあれば帳票を出せますが、なくても次の方法で足ります。

  1. 各車両について、前年4月1日の乗務前時点のメーターの数値を確認する
  2. 同じ車両の、当年3月31日の乗務後時点のメーターの数値を確認する
  3. 差を取れば、その車両の1年間の走行キロになる
  4. 全車両分を合計する

期中に増車・減車した車両は、在籍していた期間の始めと終わりのメーター値で同じように差を取ります。トレーラーを保有している場合は、トラクタの数値だけを見ます。被牽引車は自走しないためです。

ただし延実在車両数と延実働車両数のほうは、トラクタとトレーラーを別々の車両として数えます。走行キロだけが扱いの違うところです。

延実在車両数を「車両数×365」で出すと合いません

取扱要領は、延実在車両数について次のように定めています。事業用自動車数が前年4月1日から当年3月31日までの1年間において在籍した日数の年間累計を記載する。このため、保有している事業用自動車一両ごとに、異動が行われた日まで、あるいは行った日からの日数を把握し、全車両分の合計を算出する必要がある——と。

つまり、期中に増車・減車があった場合、その車両は在籍していた日数分しか数えません。解説記事のなかには「保有車両数×365」と説明しているものがありますが、これは年度を通じて台数が一切動かなかった場合にだけ一致する計算です。増車した年度にこの式を使うと、実在車両数が過大になります。

延実働車両数のほうは、稼働したかどうかを一日単位で判断します。取扱要領は、一日のうち短時間のみ稼働してその後稼働しなかった場合も一日車と算定すると定めています。午前中に1件だけ配送して戻った日も、丸一日走った日と同じ1日車です。

実車キロの2つの注意点

フェリーボートに乗船中の距離は含まれません。取扱要領が明示しています。長距離のフェリー航送を使っている事業者は、その区間を除いて集計することになります。

一方で、時間制運賃を適用する場合で、運賃収受の対象となる時間内にあっては、貨物を積載しないで走行した場合も実車として扱います。時間制のチャーターで空車回送している時間も、収受対象時間内であれば実車キロに含まれる、ということです。

輸送トン数は、実運送の欄には貨物自動車利用運送に係るものを除外した年間の総輸送トン数を、利用運送の欄にはその地方運輸局の管轄区域内にあるすべての営業所で貨物自動車利用運送として取り扱った貨物取扱量を書きます。

輸送トン数は「引き受けた時点」で測り、二重に数えません

取扱要領の「その他注意事項」は、輸送トン数について荷主から貨物の運送を引き受けた時点での貨物量により測定すると定めています。ここでいう荷主には、荷主を運送事業者とする場合、つまり元請から請けた場合も含まれます。

そして、貨物の積み換え・中継・貨物自動車利用運送等による二重計上は行わないこととされています。自社で引き受けた貨物の一部を協力会社に回し、その分も実運送に計上してしまうと二重計上になります。

また、霊きゅう自動車による運送を行う場合は、「トン」とあるのを「体」とした上で作成します。

利用運送の欄に数字が入るなら、事業計画のほうも確認してください

外注や傭車で他社に運んでもらった分がある、つまり利用運送の欄に数字が入るということは、貨物自動車利用運送を行っているということです。これを行うには、事業計画にその旨が定められている必要があります。

手続をしないまま利用運送の欄に数字を書けば、事業計画に定めのない事業を行っていると自ら申告することになります。手続の区分は事業計画変更の記事でご確認のうえ、心当たりのある方は管轄の運輸支局にご相談ください。

根拠を見る(⑧〜⑭ 輸送実績)

取扱要領(第4号様式関係)冒頭
本表は、事業者ごとに一葉作成し、各地方運輸局ごとにその管轄区域にあるすべての営業所に配置されている事業用自動車の前年4月1日から3月31日までの一年間の輸送実績について記載し、各々の項目の合計値を全国計の欄に記載すること。

延実在車両数
延実在車両数の欄は、事業用自動車数が前年の4月1日から当年の3月31日までの一年間において在籍した日数の年間累計を記載する。このため、保有している事業用自動車一両ごとに異動が行われた日まで、あるいは行った日からの日数を把握し、全車両分の合計を算出する必要がある。

延実働車両数
延実働車両数の欄は、事業用自動車が稼働した日数の年間累計を記載する。なお、事業用自動車が稼働したかどうかは一日単位で判断する。このため、一日のうち短時間のみ稼働しその後は稼働しなかった場合も一日車と算定することとなる。

走行キロ・実車キロ
走行キロは、年間の走行距離の実績値を記載する。実車キロは、貨物を積載して走行した年間の走行距離(時間制運賃を適用する場合で運賃収受の対象となる時間内にあっては、貨物を積載しないで走行した場合も実車として扱うこと。)であり、フェリーボートに乗船中の距離は含まれない。

輸送トン数・営業収入
輸送トン数は、貨物自動車利用運送に係るものを除外して、年間の総輸送トン数の実績値を実運送の欄に記載し、利用運送の欄には各地方運輸局の管轄区域内にあるすべての営業所において貨物自動車利用運送として取り扱った貨物取扱量を記載する。営業収入は、年間の営業収入の実績値を記載する。

取扱要領「4 その他注意事項」
貨物自動車運送事業実績報告書(第四号様式)中の輸送トン数については、荷主(荷主を運送事業者とする場合を含む。)から貨物の運送を引き受けた時点での貨物量により測定することとし、貨物の積み換え、中継、貨物自動車利用運送等による二重計上は行わないこと。また、霊きゅう自動車による運送を行う場合は、「トン」とあるのは「体」とした上で作成すること。

様式の備考5
輸送実績については、地方運輸局の管轄区域ごとに、当該地方運輸局の管轄区域内にあるすべての営業所に配置されている事業用自動車の輸送実績(ただし、輸送トン数(利用運送)については、当該地方運輸局の管轄区域内にあるすべての営業所において行った貨物自動車利用運送に係る貨物取扱量)について記載すること。

出典:第4号様式の備考、および貨物自動車運送事業報告規則に基づく報告書類の取扱要領について(平成3年5月1日 貨経第17号・貨陸第53号)の別紙。項目番号は要領独自のもので、本記事の①〜⑱とは対応しません。

⑮〜⑱|事故件数の欄

交通事故件数・重大事故件数・死者数・負傷者数の4つの欄があります。定義は次のとおりです。

  • 交通事故=道路交通法第72条第1項の交通事故(様式の備考6)
  • 重大事故=自動車事故報告規則第2条の事故(様式の備考7)
  • 死者数=交通事故の発生から24時間以内に死亡した人の数(取扱要領)
  • 負傷者数=交通事故によって負傷し、治療を要した人の数(取扱要領)

取扱要領は、事故件数の欄について事業用自動車が関係したすべての交通事故について記載するとしています。自社に過失がない事故、いわゆるもらい事故も、事業用自動車が関係している以上は対象です。「うちが悪くないから書かない」という整理はできません。

判断に迷いやすいのが、構内での接触など小さな物損事故です。備考6が引いている道路交通法第72条第1項は、車両等の交通による人の死傷または物の損壊があった場合の措置を定めた規定ですので、警察に届け出たようなものは件数に含めて考えるのが安全です。件数の多寡を理由に不利益な扱いを受ける欄ではありませんので、少なく見せようとする必要はありません。

なお、重大事故は自動車事故報告規則にもとづき別途30日以内に報告する義務があるものです。年に一度の実績報告とは別の義務ですので、混同しないようご注意ください。

根拠を見る(⑮〜⑱ 事故件数)

取扱要領(第4号様式関係)
事故件数の欄は、事業用自動車が関係した全ての交通事故について記載する。死者数の欄は、交通事故の発生から24時間以内に死亡した人の数を記載し、交通事故によって負傷し、治療を要した人の数を記載する。

様式の備考6
交通事故とは、道路交通法(昭和23年法律第105号)第72条第1項の交通事故をいう。

様式の備考7
重大事故とは、自動車事故報告規則第2条の事故をいう。

出典:第4号様式の備考、および貨物自動車運送事業報告規則に基づく報告書類の取扱要領について(平成3年5月1日 貨経第17号・貨陸第53号)の別紙。項目番号は要領独自のもので、本記事の①〜⑱とは対応しません。

第1号様式の従業員数と一致しないのが正常です

実務でいちばん質問が多いのが、ここです。事業報告書の事業概況報告書(第1号様式)にも従業員数の欄があり、事業実績報告書(第4号様式)にも従業員数の欄があります。同じ会社・同じ年度なのに、この2つは一致しません。

表3:2つの様式で「従業員数」の定義が違います
項目第1号様式(事業概況報告書)第4号様式(事業実績報告書)
数える時点期中の平均3月31日現在
役員含める(無報酬の非常勤役員等は除く)含まない
対象期間の基準自社の事業年度前年4月1日〜3月31日
数字の出どころ給与台帳(人月の集計)3月31日時点の在籍者名簿

取扱要領は、第1号様式の従業員数について「期中の平均従業員を記載する。従業員数には、役員も含めるが、無報酬の非常勤役員等は含めない」と定め、第4号様式については「3月31日現在における貨物自動車運送事業に従事する従業員(役員は含まない。)を記載する」と定めています。同じ通達の中に、2つの異なる定義が並んでいます。

3月決算の会社であっても、期中平均と期末時点は普通は一致しませんし、役員の扱いも逆です。両者を無理に揃えようとすると、どちらかが誤りになります。

それぞれが揃うべき相手は別にあります

第1号様式の従業員数は、人件費明細表(第3号様式)の支給延人員と対応する関係にあります。この整合は損益明細表の書き方をまとめた記事で扱っています。

第4号様式の従業員数が対応するのは、3月31日時点の運転者台帳・在籍者名簿です。決算書ではなく、労務の記録から拾う数字だと考えてください。

根拠を見る(第1号様式の従業員数)

取扱要領「1 営業報告書関係(2)営業概況報告書(第1号様式)」
従業員数の欄は期中の平均従業員を記載する。従業員数には、役員も含めるが、無報酬の非常勤役員等は含めない。従業員数は主として当該事業に従事している人数について各事業ごとに記載するが、社内において同一従業員が二以上の事業に従事するような勤務体制をとっている場合は、適正な配分方法により各事業に配分した人数を記載する。なお、一般貨物自動車運送事業の平均従業員数は、第三号様式の支払い延人員(人月)の合計値を12で除したものと等しくなる。

出典:貨物自動車運送事業報告規則に基づく報告書類の取扱要領について(平成3年5月1日 貨経第17号・貨陸第53号)の別紙。第4号様式の従業員数(役員は含まない)とは定義が異なります。

「輸送トン数(利用運送)」の欄が義務の有無を決めます

ここが、2026年に入って明確に変わった点です。第4号様式そのものは改正されていませんが、この報告書に書いた数値が、別の義務の発生を判定する材料として使われるようになりました。

令和7年4月から、一定規模以上の貨物自動車利用運送を行う事業者には、運送利用管理規程の作成義務と運送利用管理者の選任義務が課されています。委託先の健全な事業運営を確保するための取組(健全化措置)を、規程と責任者という形で社内に定着させる仕組みです。

対象になるのは、前年度の利用運送量が100万トン以上の事業者

国土交通省の改正貨物自動車運送事業法Q&A(令和8年3月31日時点)は、義務付けの対象を「前年度に行った貨物自動車利用運送に係る貨物取扱量の合計量が100万トン以上」である一般貨物自動車運送事業者および特定貨物自動車運送事業者としています。

そして、この100万トンを何で判断するのかという問(問3-8-2)に対して、毎年提出している貨物自動車運送事業実績報告の「輸送トン数(利用運送)・全国計」の欄に記入された数値で判断してくださいと回答しています。

国からの指定や通知はありません

同じQ&Aの問3-8-3は、義務付けの対象になった場合に国から指定や通知等があるのかという問に対して、国からの指定や通知等はないと答えています。各事業者において利用運送量の確認を確実に行い、100万トン以上である場合には規程の作成・管理者の選任と国土交通大臣への届出を行う必要がある、とされています。

つまり、自分で気づくしかありません。その気づくための数字が、毎年書いているこの欄だということです。届出をしないで事業を行った場合や、運送利用管理者の届出をせず、または虚偽の届出をした場合は、100万円以下の罰金が科されることになるとされています。

届出の期限についても、中国運輸局が公表しているQ&Aでは、貨物取扱量の合計量が100万トン以上となった年度の翌年度の7月10日までと案内されています。実績報告書の提出期限と同じ日です。

もっとも、100万トンという規模は年間の利用運送量ですから、該当するのは相当の大手に限られます。中小事業者にとって実務上重要なのは、この欄が「出して終わり」の数字ではなくなったという事実のほうです。利用運送の取扱量を実態より大きく書けば規制対象に近づき、小さく書けば実態と合わない報告になります。

報告書に書いた数値と実際の運行の実態が食い違っていることは、監査や巡回指導の場面で不整合として現れます。名義貸しが発覚する経路のひとつが報告書との整合であることは、名義貸しの罰則と発覚経路を整理した記事で扱っています。

記入例|架空の会社で1枚を通して見る

ここまでの決まりを、1つの例にまとめて見てみます。以下はすべて、解説のために当事務所が作成した架空の数値です。実在の事業者のものではなく、また規模の水準を示すものでもありません。ご自身の運行記録の数値に置き換えてお読みください。表は、様式の欄の並びに合わせています。

まず営業所が1か所の例で1枚を通して見たあと、営業所が2つの運輸局にまたがる例で、どこが変わるかを確認します。

例1の前提|営業所1か所・近畿運輸局管内

例1:株式会社サンプル運輸(架空)

  • 一般貨物自動車運送事業を経営。特別積合せ貨物運送は行っていない。貨物自動車利用運送も行っている
  • 営業所は大阪府内の1か所のみ(近畿運輸局管内)
  • 対象期間:令和7年4月1日〜令和8年3月31日(365日)
  • 期首5両。令和7年11月1日に2両増車して期末7両(増減車の届出は済んでいる)
  • 期末(3月31日)の従業員:運転者9名、運行管理者1名、事務員2名。ほかに役員2名
  • 主に冷凍・冷蔵の食料品を運んでいる
  • 年度中の交通事故1件(追突された事故)。負傷者・死者なし、重大事故なし

例1|①〜⑦ 様式の上部

①区分は「一般」と「利用」に○。②事業者番号は空欄のままで差し支えありません。取扱要領が、事業者において記載を要しないとしているためです。記入したい場合や運輸支局から求められた場合は、支局で確認できます。のあて先は近畿運輸局長、住所以下は自社の情報を記載します。

表4:④⑤⑥ 事業概況の記入例(例1・令和8年3月31日現在)
④事業用自動車⑤従業員数⑥運転者数
7129

従業員数の12は、運転者9+運行管理者1+事務員2です。役員2名は含めません。事業用自動車の7両は、3月31日現在の事業計画上の数です。

事業内容は、様式では左右2列に項目が並んでいます。この会社は冷凍・冷蔵の食料品が主なので、次の2か所に○が付きます。

表5:⑦ 事業内容の記入例(例1・主なもの三項目以内)
・ダンプによる土砂等輸送○ 冷凍、冷蔵輸送
・基準緩和認定車両による長大物品等輸送・原木、製材輸送
・国際海上コンテナ輸送・引越輸送
・コンクリートミキサー車による生コンクリート輸送○ その他( 食料品の集配 )
・危険物等輸送

例1|車両の在籍日数と稼働日数を、一両ごとに数える

ここが第4号様式でいちばん手間のかかるところです。取扱要領は、一両ごとに異動が行われた日まで、あるいは行った日からの日数を把握して合計するよう定めています。異動のあった車両だけ、期間を切って数えます。

表6:車両ごとの在籍日数と稼働日数(例1)
車両在籍期間在籍日数稼働日数
期首からの5両4/1〜3/31(通年)365日×5=1,825262日×5=1,310
11/1増車の2両11/1〜3/31151日×2=302108日×2=216
合計2,127日車1,526日車

ここで、期末の7両に365日を掛けると2,555日車になります。正しい2,127日車との差は428日車です。増車した2両は年度の途中からしか在籍していないのですから、通年在籍したものとして数えれば当然大きく出ます。

稼働日数のほうは一日単位で数えます。午前中に1件だけ配送して戻った日も1日車です。逆に、車検で1日入庫して一度も動かなかった日は数えません。

例1|⑧〜⑭ 輸送実績の欄

この会社は営業所が近畿運輸局管内に1か所だけですので、近畿の行と全国計の行だけが埋まります。様式の形に並べると、次のようになります。

表7:⑧〜⑭ 輸送実績の記入例(例1・様式と同じ11行)
⑧延実在車両数
(日車)
⑨延実働車両数
(日車)
⑩走行キロ
(キロメートル)
⑪実車キロ
(キロメートル)
⑫実運送
(トン)
⑬利用運送
(トン)
⑭営業収入
(千円)
北海道
東北
北陸信越
関東
中部
近畿2,1271,526512,000358,40014,200900118,000
中国
四国
九州
沖縄
全国計2,1271,526512,000358,40014,200900118,000

輸送トン数で注意したいのが、実運送と利用運送の切り分けです。この会社は年間で15,100トンの運送を引き受けましたが、そのうち900トンは協力会社に委託しました。したがって実運送の欄は委託分を除いた14,200トン、利用運送の欄が900トンになります。

15,100トンをそのまま実運送の欄に書いてしまうと、委託した900トンを二重に数えたことになります。取扱要領も、積み換え・中継・貨物自動車利用運送等による二重計上は行わないと明記しています。

営業収入は千円単位です。1億1,800万円であれば118,000と書きます。

例1|⑮〜⑱ 事故件数の欄

表8:⑮〜⑱ 事故件数の記入例(例1)
⑮交通事故件数⑯重大事故件数⑰死者数⑱負傷者数
1000

この1件は追突された事故ですが、事業用自動車が関係している以上、件数に入ります。該当がない欄も、空欄にせず0と書いてください。

例1で見る検算のしかた

  • 延実働車両数は、延実在車両数を超えない
    1,526 ≦ 2,127。在籍していない日に稼働することはありません。車両ごとに見ても262 ≦ 365、108 ≦ 151と収まっています。
  • 実車キロは、走行キロを超えない
    358,400 ≦ 512,000。積載して走った距離が総走行距離を超えることはありません。
  • 輸送トン数を二重に数えていない
    引き受けた15,100トンのうち、委託した900トンは利用運送の欄へ。実運送の欄は14,200トンです。
  • 事業用自動車の数と、延実在車両数のつじつまが合う
    期末7両で2,127日車。期中に増車していれば、7×365=2,555とは一致しないのが正常です。

例2|営業所が2つの運輸局にまたがる場合

ここからは応用です。同じ会社が、期首から名古屋営業所(中部運輸局管内)も持っていたとしたら、書き方はどう変わるでしょうか。

例2:例1に名古屋営業所(中部運輸局管内)が加わった場合

  • 名古屋営業所は期首4両。令和8年2月1日付けで1両減車して期末3両
  • 名古屋営業所の期末従業員:運転者7名、運行管理者1名、事務員1名、荷扱手1名
  • 名古屋営業所の実績:走行キロ298,000、実車キロ217,000、実運送8,600トン、利用運送400トン、営業収入64,000千円

まず押さえておきたいのが、この報告書は事業者ごとに一葉だということです。営業所ごとに別々の用紙を作るのではありません。事業概況の欄は会社全体を合算した数字になります。

  • 事業用自動車の数:7+3=10
  • 従業員数:12+10=22(役員2名は引き続き含めません)
  • 運転者数:9+7=16

一方、輸送実績は地方運輸局の管轄区域ごとに行を分けます。大阪営業所の実績は近畿の行へ、名古屋営業所の実績は中部の行へ。そして各項目の合計値を全国計の行に書きます。

名古屋営業所の車両も、一両ごとに数えます。通年在籍の3両は365日、2月1日付けで減車した1両は4月1日から1月31日までの306日です。在籍は 365日×3+306日×1=1,401日車、稼働は 255日×3+210日×1=975日車となります。

表9:⑧〜⑭ 輸送実績の記入例(例2・2つの運輸局にまたがる場合)
⑧延実在車両数
(日車)
⑨延実働車両数
(日車)
⑩走行キロ
(キロメートル)
⑪実車キロ
(キロメートル)
⑫実運送
(トン)
⑬利用運送
(トン)
⑭営業収入
(千円)
北海道
東北
北陸信越
関東
中部1,401975298,000217,0008,60040064,000
近畿2,1271,526512,000358,40014,200900118,000
中国
四国
九州
沖縄
全国計3,5282,501810,000575,40022,8001,300182,000

例2で追加になる確認

  • 全国計が、各地方の行の合計になっている
    2,127+1,401=3,528、118,000+64,000=182,000。全国計は独立に集計する欄ではなく、各項目の合計値を書く欄です(Excel版では自動で合計されます)。
  • 事業概況は合算、輸送実績は地方別
    同じ用紙の中で、集計の単位が切り替わります。ここを取り違えると全体が合わなくなります。
  • 減車した車両も、在籍していた日数分は数える
    期末に手元にないからといって0にはしません。1,401日車のうち306日車がその1両分です。

なお、行が決まるのは営業所がどの運輸局の管轄にあるかであって、走った場所ではありません。大阪営業所の車両が東京まで運んだ分も、近畿の行に入ります。

この記入例の位置づけ

上の数値は、取扱要領と第4号様式の備考にしたがって当事務所が組み立てた架空の例であり、運輸局が公表している記入例ではありません。欄の名称と並びは、e-Gov法令検索に掲載されている第4号様式(令和8年4月1日施行の報告規則に掲げられているもの)に合わせて確認しています。

ただし、異動があった車両の日数をどこで区切るか、稼働と見るかどうかといった個別の判断は、運行の実態によって分かれる場合があります。迷う点が出たときは、自己流で処理せず管轄の運輸支局にご確認ください。

提出前に確かめる5つのこと

数字どうしの検算は前章で見たとおりです。ここでは、それ以外に見落としやすい点を挙げます。

提出前チェック

  1. 区分の○は、該当するものすべてに付いているか。1つに絞る欄ではありません。
  2. 事業内容の○が三項目以内か。該当するものすべてではなく、主なもの三項目以内です。
  3. 事故件数の欄を空欄にしていないか。0件なら0と書きます。自社に過失のない事故も、事業用自動車が関係していれば件数に入ります。
  4. 営業収入の単位が千円になっているか。桁が3つずれる誤りです。
  5. 3月31日現在の事業計画上の車両数と、実際の台数が合っているか。ずれている場合は、増減車の手続そのものが済んでいない可能性があります。
  6. 霊きゅう運送を行っている場合、「トン」を「体」に書き換えたか。

Excel版には、整合性を確かめる仕組みが入っています

近畿運輸局が配布しているExcel版(2026年8月時点)を開いて確認したところ、シートに計算式が組み込まれていました。実務で役に立つのは次の2つです。

  • 全国計の行は自動で合計されます。各地方の行に入力すれば計算されるので、手入力する欄ではありません。手で上書きすると式が壊れます
  • 事故件数の欄が数値でないと、確認を促す表示が出ます。空欄のままや「なし」と書いた場合が該当します。0件なら0と入力してください

シートには保護がかかっており、ほかにも入力内容を点検する式が置かれていますが、表示のされ方までは確認できていません。Excel版を使う場合は、各地方の行に入力して全国計が動くかどうかを目安にしてください。

事業計画上の車両数と実際の台数が合っていない場合は、そもそも増減車の手続が済んでいない可能性があります。実態が先に動いて書類が追いついていない状態ですので、報告書の作成と切り離して、早めに整理しておくことをおすすめします。

Gマークを申請する予定があるなら、提出済みかどうかが先に効きます

Gマーク(安全性優良事業所)の認定要件には、認可申請・届出・報告事項が適正になされていることが含まれています。適正化事業実施機関が行う巡回指導の項目のうち、得点ではなく「満たしているか否か」で確認される部分にあたり、事業報告書・事業実績報告書を提出しているかどうかもここに入ります。評価の合計点が基準に届いていても、この確認で1つでも欠けていれば認定されません。申請を決めてから過去の未提出をさかのぼるのは、資料集めから始めることになり負担が重くなります。Gマークの申請条件と評価基準で制度の全体像を整理しています。

出典・基準日:2025年度申請分のGマーク申請案内(国土交通省サイト掲載分)。申請案内は年度ごとに改定されます。

7月10日の期限が近い方、数年分をまとめて整理したい方へ

事業実績報告書は、日報や運行記録から1年分を集計する作業が中心で、本業の合間に片づけるには負担の大きい書類です。そら行政書士事務所では、事業報告書・事業実績報告書の作成と提出の代行を承っています。過去に提出できていない年度の整理についてもご相談ください。

報告書の作成・提出代行を見るお問い合わせはこちら

よくある質問

事業実績報告書の提出期限はいつですか。

毎年7月10日までです。前年4月1日から3月31日までの1年間の実績を報告します。決算月がいつであっても期限は変わりません。決算後100日以内が期限の事業報告書とは、対象期間も期限の決まり方も別のものです。

延実在車両数は「車両数×365」で計算してよいですか。

年度を通じて台数が変わらなかった場合にかぎり結果が一致しますが、計算方法としては正確ではありません。取扱要領は、事業用自動車が1年間に在籍した日数の年間累計を記載するものとし、一両ごとに異動が行われた日まで、あるいは行った日からの日数を把握して全車両分の合計を算出する必要があるとしています。期中に増車・減車があった年度は、その車両は在籍していた日数分しか数えません。

従業員数に役員は含めますか。

事業実績報告書(第4号様式)では含めません。取扱要領は、3月31日現在における貨物自動車運送事業に従事する従業員(役員は含まない)を記載するとしています。一方、事業報告書の事業概況報告書(第1号様式)では、期中の平均従業員数に役員も含めます(無報酬の非常勤役員等は除きます)。定義が異なるため、2つの報告書で従業員数が一致しないのが正常です。

令和8年4月の法改正で、第4号様式は変わりましたか。

変わっていません。令和8年国土交通省令第13号の新旧対照表を確認したところ、貨物自動車運送事業報告規則で改正されたのは第1条(趣旨)と第3条(臨時の報告)のみで、報告書の種類と提出時期を定めた第2条および第4号様式は改正の対象になっていません。ただし様式は改正されることがありますので、作成のたびに国土交通省または所管の運輸局のサイトから最新版を取得してください。

実車キロに、フェリーで運ばれた区間は含めますか。

含めません。取扱要領は、実車キロについてフェリーボートに乗船中の距離は含まれないと定めています。なお、時間制運賃を適用する場合で運賃収受の対象となる時間内にあっては、貨物を積載しないで走行した場合も実車として扱うこととされています。

「輸送トン数(利用運送)」の欄は何に使われるのですか。

運送利用管理規程の作成義務・運送利用管理者の選任義務の対象になるかどうかの判定に使われます。国土交通省の改正貨物自動車運送事業法Q&A(令和8年3月31日時点)は、前年度の貨物自動車利用運送に係る貨物取扱量の合計量が100万トン以上の事業者が対象であるとし、その判断は貨物自動車運送事業実績報告の「輸送トン数(利用運送)・全国計」の欄に記入された数値によるとしています。対象になっても国からの指定や通知はないため、各事業者が自分で確認する必要があるとされています。

参照した根拠・出典を見る

本記事は、2026年8月2日に次の資料で確認した内容にもとづいています。制度や運用は改正されることがありますので、実際の提出にあたっては最新の様式および所管の運輸支局・運輸局の案内をご確認ください。

  • 貨物自動車運送事業報告規則(平成2年運輸省令第33号)第2条(事業報告書及び事業実績報告書)・第3条(臨時の報告)。e-Gov法令検索の令和8年4月1日施行版(令和8年国土交通省令第13号による改正後)および同ページの差分表示により確認
  • 貨物自動車運送事業実績報告書(第4号様式。第2条関係。平15国交令6・全改、令元国交令20・一部改正)の様式および備考1〜7。e-Gov法令検索に掲載されている現行の様式により確認
  • 貨物自動車運送事業報告規則に基づく報告書類の取扱要領について(平成3年5月1日 貨経第17号・貨陸第53号)の別紙
  • 貨物自動車運送事業法施行規則等の一部を改正する省令(令和8年国土交通省令第13号)条文・新旧対照表(国土交通省「トラック適正化二法について」)
  • 改正貨物自動車運送事業法Q&A(令和8年3月31日時点)問3-8、問3-8-2、問3-8-3、問3-13(国土交通省 物流・自動車局貨物流通事業課)
  • 改正物流法関係Q&A(トラック法関係)(中国運輸局)
  • 近畿運輸局が配布している第4号様式のExcelファイル(2026年8月時点)
  • 自動車事故報告規則/道路交通法第72条第1項

取扱要領については、地方運輸局等が公開している別紙により内容を確認しています。この別紙には発出年月日・記号番号・発出者が記載されておらず、平成3年の発出後の改正の有無までは確認できていません。欄ごとの記載要領は改正されることがあります。

なお、運輸局のサイトからダウンロードできる様式ファイルが、e-Gov法令検索に掲載されている現行の様式と表記の異なる場合があります。実際に提出する様式は、管轄の運輸支局・運輸局が案内しているものをお使いください。

本文中で引用している法令・通達は、著作権法第13条により著作権の目的とならないものとされています。引用は抜粋であり、原典のすべてを掲載したものではありません。

本記事は制度の一般的な説明であり、個別の事案についての判断を示すものではありません。記載内容の正確性には努めていますが、個別の判断を保証するものではありません。

この記事を書いた人

行政書士 田丸浩史(登録番号 26261852)/そら行政書士事務所
〒562-0014 大阪府箕面市萱野2-6-8-203
TEL 070-8556-0921/Email tamaru@sora-gyosei.com

大阪府箕面市を拠点に、一般貨物自動車運送事業の許可申請と、変更届・認可申請・各種報告書といった許可後の手続、役員法令試験対策に取り組んでいます。事業報告書・事業実績報告書の作成と、役員法令試験対策は全国に対応しています。

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この記事を書いた人

田丸 浩史のアバター 田丸 浩史 行政書士

大阪府箕面市を拠点とする行政書士。運送業を専門とし、新規許可から各種変更届出・法令試験対策まで大阪府全域に対応。

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